第11章 暁
ー研磨sideー
日曜日の大会でも
穂波のお兄さんはいい感じだったらしく優勝したらしい。
よくわかんないけど、すごい。
母さんは、月、火と穂波の家に泊まるのを許してくれた。
おれに、っていうより
穂波への信頼なのかよくわかんないけど寛大で助かる
2日間、朝昼晩と穂波のご飯を食べて、
一緒に寝て、起きて…
全然疲れない。そんなの前からわかってたけど。
人ん家なのに、こんなことってあるんだな…
Wiiを持ってこようと思ったんだけど、
母さんにバレて今回は断念。
…まぁスクリーンとスピーカー完備の環境でなんかやったら
絶対寝れないし、朝練も行けなくなってたと思う…
持って来なかったから、
前にできなかった朝洗濯干すのとかはできたりして、まぁ、良かったかな。
………あー部屋にスクリーンほしい。
絶対欲しい。
『…研磨くん?』
今日は水曜。
昼休み、穂波が作った弁当を食べてる。
蓮根挟み焼き、ネギの入った卵焼き、ツナとにんじんのサラダ、
大学芋、ブロッコリー、プチトマト
おいしい。
いつもいつもおいしい。
「…あ、ごめん。考え事してた」
スクリーンでゲームすること考えてたら箸が途中で止まってた。
「…何か話してた?」
『ううん、特に。 何考えてたの? 楽しそうな、悔しそうな顔してた』
「…ちょっと、ゲームのこと」
『…ふふ。そっか』
「…弁当、いつもほんとにおいしい」
『…ん。嬉しい』
いつも美味しいから美味しいっていうだけなんだけど、
その度ほんとにかわいい顔をする。
『今日、駅まで迎えにいってもいい?』
お兄さんたちは夕飯を福岡で食べて帰るらしく、
今日の夕飯も穂波の家でご馳走になる。
月曜日に母さんから食費を渡されたから、
その辺は心配いらない。
穂波は、多すぎるんじゃないかな、って言ってたけど
水道とか光熱費とか、いろいろ込めてあるんだと思う。
そう伝えたら、そっか。と呟いて受け取ってた。
「…いいけど、いいよ、寒いのに」
『一緒に歩きたいなぁって。ただそれだけ… いいかな?』
「…ん」