第10章 2012
ー研磨sideー
かわいい、すき。
愛しい。
アイシテル?
いや、そんな仰々しいものじゃないけど…
穂波をみてると
胸のとこがあったかくなる
好きは好きだけど、
寒いからかな、
なんか、それよりもっと深いような。
愛しい。
やっぱそれかな。
静かに弁当を食べてる穂波をおいて、
一度クロたちのとこに行く
行かないと、ずっといそうだから
「…なにしてるの」
クロ「新婚さんの見学〜♪」
夜久「お前、大胆になったな! …他は今まで通りだけど」
「…それだけ? …海くんまで」
海「幸せそうな2人をみるのは、気分がいいからなぁ」
「………おれもう行くね」
クロ「ほーい」
…ほんとそれだけなんだ。
なんでそんなに人のことに興味が持てるのかわかんない
・
・
・
『研磨くん、これうちの鍵。
…また電車のったらメールするね。部活頑張ってね』
「…ん。穂波もう行くの?」
『うん、ちょっとやりたいことあって』
「…そっか。 じゃあ、いってらっしゃい」
『ん。研磨くんも。また、あとでね』
「…ん」
穂波から鍵を受け取って、
クロと一緒に部室に向かう。
「…高1で新婚体験ってすごくない?環境に恵まれすぎだろ」
研磨「あのさ、朝からその、新婚ってのなに。…やめて」
クロ「いいのいいの言わせとけば。 …つーかおばちゃんよくオッケーだしたな」
研磨「………。 …あぁ、うん。母さんと穂波仲良いからかな。穂波の親とも」
クロ「え?もう親同士会ってんの。 …やっぱ新婚じゃん」
研磨「………」
クロ「なんか条件つき?」
研磨「…うん、まぁ。 穂波を母さんの代わりにするなって。
あとは普通にゲームのことと成績のこと、夜寝ること…」
クロ「…笑 なるほどね。 …でも前から洗い物とか手伝ってるよな」
研磨「あぁ、まぁ。 でも洗濯とか学校でる前に干したり。 おれは全然できなかったけど。
なんかやっぱいろいろあるよね、休みじゃないし」
クロ「…へぇ。 そういうもんか。 なんかすげーな。 リアル同棲ぽい感想」
研磨「………どうせい」