• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第3章 歩み


ー穂波sideー








「……………穂波さん、あの…手…」








言われてハッとした。
研磨くんの手首を掴んで、中庭へと進んでたのだ。







わたしはボディタッチが、多くなりがち。
誰でも彼でもってわけじゃ、ないはずんだけど、
研磨くんには、無意識に、触れてしまってる。

思えば研磨くんとこうやって話をするようになったのも、
わたしが研磨くんの指にいきなり触れたから。
しょっぱなからあんなだったんだ。そのあとも、きっと、無意識にいろいろやってる。

あのときは放課後の教室だったけど、
今日は、違う。
昼休みの、廊下。

研磨くんのこと、嫌な気持ちにさせちゃった。







『…あ、ごめん。勝手に…ごめんね。嫌だった?』






ぱっと手を離したら、






「…ううん、全然。…嫌じゃないけど。…行こ」







そう言って研磨くんがわたしの手を握り返してくれた。







…ちょっと形勢逆転というか、
無鉄砲であけすけな自分の行動が走馬灯のように思い出されてショックを受けてたとこだったから、
拍子抜けしたとともに、今までよりもっと力強く研磨くんに心が持っていかれる感じがした。

強い風が吹いた、気がした。







中庭に着いて、木の周りを囲うようにして設置されるベンチに腰掛ける。








『研磨くん、あの…言い訳じゃなくって、その…
もうほんと馬鹿みたいに無意識に、気付いたら研磨くんに触れてた。
多分わたしが気にしてなくても、今までもきっと、その…
嫌だったら、やりすぎ!って思ったら、しゃー!って、猫みたいにしゃー!って、
ちゃんと、嫌って言ってね。

こんなに制御がきかないのは初めて。わたし、思っている以上に研磨くんに惹かれてるみたい。

でも、必要のないとこで嫌な気持ちにはさせたくないから…
なんども言っちゃうけど、嫌だったら言ってね。』



「…うん。わかった。
さっきも言ったけど全然、嫌じゃない。今まで、一度も。
…食べよ、弁当。」






研磨くんはきっと、嘘はついてない。
それでも今の状況だと、いいのかなって自問自答しちゃうけど、
きっと研磨くんはこういう時、嫌だったら拒否するし、
もし万が一できなくても、顔に、空気に、でる気がする。










/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp