第2章 芽生え
三限が終わる頃、
今日も穂波さんと弁当食べるんだ、って考えてたら
すごいことを思い出した。
…てか、何で忘れてた?
昨日、掃除のチャイムが鳴った時、
おれ、気づいたら穂波さんに、キスしてたんだった。
てか、あれ普通に教室だったけど
誰かみてたかな。
………なんでキスしたんだろ。
クロに、、、聞いてもな…
ごちゃごちゃと考えてるうちに、四限が終わった。
『研磨くん、お昼食べよ?』
「…うん。ここでいいの?」
『…ここが、いいなとも思うし、ちょっと教室の外いくのもいいな。
研磨くんは、どこかある?』
「…ん。…別にないよ。どこでもいい。」
『そっか。じゃあ、中庭に行ってみよ?』
そう言って、穂波さんはおれの手首をそっと掴んで歩き出す。
「……………穂波さん、あの…手…」
『…あ、ごめん。勝手に…ごめんね。嫌だった?』
穂波さんがぱっと手を離そうとしたその手を、
咄嗟におれは握ってた。
「…ううん、全然。…嫌じゃないけど。…行こ」
『…うん』