第8章 栗と飴玉
「わ。2階までほんとにあったかい」
階段登ったとこのスペースで過ごす。
『ね。薪を集めるのは大変だけど、薪ストーブいいよね。
家全体があったまる感じ』
2人掛けのソファに並んで座って寛ぐ。
研磨くんはゲームしながら、
わたしは写真集をパラパラしながら
ぽつりぽつりと
明日からのテスト期間のことや、
来週のカズくんとのデートのこと、
バレーの大会の話とか、話をした。
見送りは遅いから良い、と断られて家の前でわかれた。
…今日もすごく良い日だった。
研磨くんに言われた言葉を思い出して
心の中の宝箱にしまっていく。
おれは穂波の
今日一番インパクトのあったことば
研磨くんは研磨くんのだけど
でもそんな風に思う瞬間があったってことが嬉しい。
そんな風にいうからって
べったりしてくるわけではないとこが、
楽ちんだし、好きだなって思う。
今日、何度研磨くんのことを
好きだな、って思ったんだろ…
そんなことをぼんやりと考えながら眠りに落ちる。
もうすぐ12月。