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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第6章 層


ー穂波sideー


周平がスケボーで帰って行って
校舎に向かって歩き出すと、正面玄関にいた人たちがどんどん少なくなっていく。

スケボー持った名門校のおかしな奴がきたって感じかな。
…ふふふ、周平は小さい頃からなにかと人の目を引いてたな。



だーれも人がいなくなって、
BBQ以来、研磨くんはとは誰かがいたり、時間がなかったり。
そういうとこでしか一緒にいなかったから、今だ。って思った。



『ねぇ、研磨くん』

「ん?」

『もう誰もいないね、正面玄関』

「…うん」



力の抜けた空気感。冷静で、鋭い綺麗な目。



研磨くんの肩に腕をかけて、キスをした。



チュッとリップ音をさせて唇を離し、研磨くんを見つめる。



もうおしまいだって思ってるかな、
いつもと変わらない表情で、優しい目で見つめ返してくれる。



さっきより強く吸い付くように唇を求めた。
研磨くんも応えるように唇を重ねてくる。



研磨くんの唇に舌を這わすと
道が開く。研磨くんの口内へと舌を滑らせる。




腰に腕が回って来て、
ぐいっと抱き寄せられて身体がしっかりとくっついて…




お互いの気持ちを確かめるみたいに、
深く深くキスを交わした。




夜久さんの声で我に返る。
わぁ、何もかも見えなくなって2人だけになってた。
………でも今回は、研磨くんも同じだったんじゃない、、かな。
そんなの初めてかも…




もう掃除のチャイムも鳴っていたみたいで、
食べかけのお弁当を片付けに教室に行くと
誰かが蓋を閉めて包みと一緒に綺麗に並べてくれていた。
優しいな、誰だろ…




掃除の時間、芽衣に周平のことを聞かれて、かいつまんで話した。
研磨くんの動じなさや周平のかっこよさが見てて楽しかった、って言ってた。




…そうだ研磨くん、わたしのことおれのって言ったんだ。
おれの彼女、じゃなくて、おれの ってすごくドキドキする。
身体も心もおれの。って言われてるみたいな気分になる。
憧れだったから…催促しちゃったんだった。
断られるかと思ったら、もう一回言ってくれて…



思い出した大事なことは
芽衣には話さず自分の中で大切に大切にする。



あぁ、まずい。
ドキドキしてきちゃった。



思い出すと、ほわほわとどきどきがせわしなく交錯する。





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