第38章 シロワニ
ー研磨sideー
裸のまま肩まで布団に潜って
うとうとしながらもごろごろしてる
…心さんたちがパン買ってきてたから、明日の朝はパンかな。
葉山にある、穂波の好きなパン屋のだって。
穂波、それでもいつも通りかな。
ちょっとゆっくりごろごろできたりするかな。
でもおれの誕生日じゃないし。
穂波が過ごしたいように過ごせばいい。
『研磨くん…』
「…ん?」
『素敵な1日をありがとう』
「ん、こちらこそ」
『…ん。 寝よう、明日の朝は美味しいクロワッサンが待ってる』
「…笑 うん、寝よっか。 おやすみ、穂波」
『…ん、おやすみ、研磨くん』
ちゅっと軽いキスを落として、目を閉じる。
いとおしい、ひと。
こんな想いをおれが抱くことがあるなんて、
穂波に出会うまで思いもしなかった。
そう言葉にすると衝撃的とか
人生の転機となる、とか
そういう仰々しい言葉が付随してきそうだけど、
全くもってそういうんじゃない。
ただただ、全部が自然で。無理がなくって。
ほんと、出会って、一緒にいたらそうなってた。
それが、また心地いいし。
そうじゃなきゃ、有り得なかったんじゃいかな、とも思うし。
まぁ、いいや。
寝よう。