第6章 層
「…ん。…もう行く?」
『…ん。……その前にギュってしてもいい?』
いや、いつもはそんなこと聞かずに勝手にしてくるくせに。
なんで今日は?ずるいし。
「…え、いきなり聞かれても……」
『…………』
「…別に、いいけど」
だめなわけないじゃん。
汗びっしょりだけど…
勢いよく抱きついてきた穂波は
全然離れる気配がなくって、
体育館のほうをちらっとみると福永がひっそりとこっちをみてる。
…よかった、福永で。
目が合うと、すこし間を置いてから、変な動きをしながら向こうへ行った。
「…穂波?……もう、良い?」
『…あ、うん。補充できた』
「…ん。じゃあ、」
帰る前にキスしようよ。
おれだって穂波に触れてたい。
「行ってらっしゃい。ケガ、気をつけてね」
『……………』
だんまりの穂波。
抱きついていいかとか、キスの後にだんまりとか、
いつもとちょっと違う穂波に萌える。
「…穂波?」
『…うん、行ってくるネ。研磨くん練習頑張ってネ』
そう言って穂波は帰っていった。
…この時間で、この後の部活を頑張れる!とかいう
気合いとか精神は持ち合わせてないけど
ただ、MPはかなり回復できる気がした。
※ マジック・ポイント(magic point)またはマジック・パワー(magic power)。
魔法を使うために必要なステータスで、魔力や気力にあたる数値。 だそうです※
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「今日調子よかった?」
練習後クロに聞かれる
「うーん、…まぁ、別に…普通」
クロ「あ、そ?」
研磨「…なに」
クロ「休憩中なんかあったのかなぁと思って」
研磨「…別に。普通に見送っただけだよ。あ、差し入れくれた」
クロ「マジか!監督の話聞いてからだな」
研磨「…ん」
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体育館を出る前にもってけーって
クロがみんなに伝えた。
夜久「直接手渡ししてもらいたかったな〜♪マネっぽい」
海「マネージャーか…みんなの士気はあがるかもなぁ」
夜久「そうだ、研磨。穂波ちゃん、カズくんとスケボー行ったんだろ?」