第37章 powder
ー穂波sideー
【土曜が練習試合で、日曜は半日。
午後からはコーチ不在なので自主練。月曜はオフ。会えるよ】
2月、2回目の週末は建国記念日と重なって3連休。
スノボ行きたいなーと思って、それなら折角だし。と蛍くんに声をかけてみた。
大人と一緒に車でしか行ったことないけど、
仙台駅とかからバス出てたりするのかな…
まぁこの際スノボじゃなくてもいい。
なんて返事しようかな…って考えてたら着信。
『もしもし』
「…うん。 スノボいく?」
『ね、それもいいよね』
「日曜の午後から行ってナイター滑って、泊まって翌日1日とか。できるんじゃない?」
『おーそれはだいぶテンション上がる。行くとしたらどこかな?』
「山形かな。蔵王温泉のとことか」
『おおお 温泉最高。スノボ×温泉は至福すぎる』
「普通に温泉にテンション上がってるとこ悪いけど…」
『…?』
「僕と2人で泊まるってことだから、一回よく考えなよ。
別に月曜に日帰りだってできるんだから」
『あ、そっか。うん、そうだよね』
でもナイター… からの温泉 そして朝一…
いやでもそうね、研磨くんに相談。
いや、相談することじゃないか。
そもそも休憩のためのホテルはいいとしても寝るのはだめって言ってた。
『じゃあやっぱり…』
「何もしないですから、必要だったら孤爪さんに僕からも話しますし。
僕はナイターと朝一、せっかく行くなら滑りたいですけどね」
『…ん』
うん。 だめだわたし、海、雪山… 弱い。
そこ突かれると意思もなにもない。
「バスも宿も予約しないといけないし、…っていうか予算大丈夫?
僕は親がスノボに関しては緩いから大丈夫なのと、
親戚とかからもらった春高の祝い的なのまだ使ってないから大丈夫だけど」
『あ、うん。うちもスノボ、サーフィン関係は行ってこーいやってこーいだからきっと…』
「泊まりが無理だとしても、バスの予約もあるからなるべく早めに決めてね」
『あ、うん。 明日の夜にはお返事致します』
「…笑 なにそれ。じゃあ、また明日」
普通ーに蛍くんが予約するって流れにもほぉ…ってなったし。
ほんといろいろスマートだなぁ、蛍くんは。
会話のもろもろが。