第36章 たぬき
ー穂波sideー
おでん、焼き菓子…とお腹が膨れてるから、
軽めというか、簡単にというか。
具沢山のスープと何かでいいかなぁと。
パンかご飯か麺か…
朝パンで、さっき焼き菓子食べて。
必ずしも主食はないといけないわけじゃないけど、
唐突におむすびが食べたくなった。
だから、けんちん汁にする。根菜いろいろ、油揚げ、木綿豆腐。
『研磨くんはおむすびの具は何がすきですか?』
いろいろの支度を済ませご飯が炊ける間に、
ストーブの前でゲームをしてる研磨くんに聞いてみる。
今日はオーソドックスなおむすびが食べたい気分だから。
「…んー、しゃけ。こんぶ。 …ツナマヨ」
『おっけー』
聞いたからには全部用意したくなるな。
小さなサイズで全部用意しようっと。
ご飯を蒸らし終えたらすぐにできるように、
ツナマヨを作ったり、こんぶやシャケを小皿に出しとく。
あとは梅干しとおかかも食べたいから、
おかかふりかけをさっとフライパンで作って冷ましといて。
梅干しはタネを抜いて軽くほぐしておく。
そういえば、治くんからLINE来てたな。
【昼メシなんやった?】
ずっとこの調子でLINEをしてる。
【お昼は老舗のおでん屋さんに行ったよ。
おでんのお出汁で炊いた茶飯が絶品だった。家でもやってみたいね。
治くんはお昼何食べた?】
すぐに返信がきた。
【昼はおかんの弁当。卵焼き、いんげんの胡麻和え、チキン南蛮、ひじき煮たやつとか。
夕飯はなに?お母さんが作ったの食べるん?】
【おー、明日のお弁当チキン南蛮に決まり◎
夕飯はね、わたしが作るよー お母さんたち今、アメリカ】
【お、マジか。泊まりに行ってもええ?】
【笑 もちろんいいよ。これるならどうぞ!
ちなみにうちは親がいてもいつでも泊まり大歓迎!】
【なんそれ、めっちゃええやん】
【よし、ご飯仕上げるね】
【待って!何食べるんか教えてや】
治くんは本当に食べるのがすきなんだなぁ。
お店もやりたいし、リサーチかな。