第36章 たぬき
「…でもその過程を楽しめることもまた創造性って呼ばれるものになるんだろうけど」
『………』
「あ、そこじゃない? …え?」
『…笑 え?』
「いや今話戻ったなって。 …ちょっと、待って」
「このさ、問題?のヒントみたいなとこ」
『うん』
研磨くんが指刺したのは、
If you used creativity to solve a problem, what was your solution?
What are the steps you took to solve the problem?
(問題解決のためにそのクリエイティビティを発揮したことがあるのなら、
そのときの解決法はなんだった? そのためにどんなステップを踏んだ?)
「これがそれでしょ。穂波の奥行きのある思考を、組み立てていくこと。それを実行していくこと。
その時の具体例を説明すればいいんだよね?」
『…うん』
「その過程をどんな時も大抵楽しめることはたしかに穂波の魅力だけど、
でもそもそもどっちかっていうと楽しむっていうより、味わうって感じが穂波はするし」
『………』
「…まぁなんであれそれは魅力であって、
この、ここで必要なクリエイティブサイドではないんじゃないかな、って思う」
『………』
「穂波のクリエイティブサイドを、
有効に働かせるのが何事も味わおうっていうマインドなんじゃないかな。
だから、多分この問いには、味わおうっていうマインドやスタンスじゃなくて、
そのもう一個奥にある根本的なとこを挙げるべきだと思う」
『………』
すごいなぁ…
すごい贅沢を今、わたしはしてる気がする。
「…ふ なんでそんなほわほわした顔になってるの」
『…だって、幸せで』
「…笑 …でさ、こっち」