• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第35章 fun







『…ふっ』





ふわっと上がった影山くんの高く高い綺麗なトス。
翔陽くんは今まで見たことのない高さにどんっと飛んで…

そしてみごとにスカった。
でも逆にそれが良かったのか音駒コートにてんっと落ちた。
フェイントみたいな感じで。

スカっちゃうとこが、なんか気が抜けて…いい。
あんな綺麗な綺麗な完璧なトスを。
愛される翔陽くん。
今、影山くんは翔陽くんにどんな罵倒の言葉をかけてるんだろう。
あぁ、愛おしい。 






治「鼻血に涙に鼻水に微笑みにせわしないな」

侑「ほんまやで、それでいて全部静かにやりよる」

治「なんなん、穂波ちゃんって。ヤっとるときもそんな静かなん?」

侑「お前なんの想像しとんのや!」

治「いや、めっちゃ好きやな、思て」

侑「なんやねんお前、俺のが好きやし!」

治「うっさいわ、ツム。 いちいちデカい声で張り合うなや。…次またトビオくんのサーブやで」





影山くんのサーブ。
侑くんと治くんは影山くんをとびおくんと呼ぶ。

“と”にアクセントじゃなくて、"お"にアクセントをつける。

だからどうとかじゃないけど、
それはなんだろう、妙に色っぽく感じてしまう。







影山くんのサーブからお互い粘った末にもう一度センターオープンのトス。
そして次こそは翔陽くん、どぱっと決めた。
どんっと踏み込んで、高く高いジャンプをして。

22-23。 烏野ブレイク。






もう一度影山くんのサーブ。
これは際どいところを狙ってアウト。

23-23になったところで。



お!犬岡くんと海さんが交代だ。



犬岡くんは、わたしは見ていないのだけど
GWの宮城への遠征の時に翔陽くんの速さについて行ってたと聞いてる。
その時はMBとしてコートに立った。

その後猫又監督の考えで、WSをやってみることになった。
そのためにレシーブの練習を本当にいっぱい、
それはそれは頑張っていた。

中学校の頃からやってるMBやりたいな、とか
リエーフくんにポジション取られたな、悔しいなとか
きっと少しは思ったのだろうけど
WSとして試合に出るために真摯に練習に取り組む犬岡くんの姿は、
本当に、ほんとに本当に、かっこよかった。

その犬岡くんを、今日。今。烏野戦で。
観れるなんて…!

まずい、また、涙が…









/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp