第34章 knit
ー治sideー
そら負けたんは悔しいけどな、
会わす顔がないってアホとちゃう。
それとこれとは別やん。
ていうかそもそも、試合勝ったから好きです〜
負けたから嫌いです〜てなるわけないやん。
赤木「そんで、さっきの子誰?」
北「さっきの子?」
赤木「会場のロビーで2人で話しとったの見た」
北「あぁ…」
アラン「あの子あれやろ、昨日侑と話しとった子やろ。北の知り合いやったん?」
北「いや、ちゃうけど。…なんやばぁ………」
え、侑と話しとったってちゃうやんな?
侑「アランくん!俺と話しとった子って誰のこと?」
アラン「なんや昨日言うてたやろ、なんやっけ名前覚えとらんけど、治と話しとったやんけ」
治「穂波ちゃんのこと?」
アラン「あーそうそう。その子やんな?今日おったの。なんや健康的な感じの子やんな。
侑とおるんもお似合いや思ったけど、治とおるんもええ感じに見えたし。
けど北とおるときが一番ええ顔しとった気がするな」
侑「一目惚れって… 彼氏おるんとちゃうん…」
治「おってもおらんでもしてまうんが一目惚れやろ」
侑「…せやな」
北「ほーか、やっぱり付き合うてる人がおるんか。かわいらしい子やもんな」
…ほんでも好き合うてるから、通じ合うってことなんちゃうの。
うーわ、侑やったらそれでもまだ、なんかやったろかな、
まだいけるんちゃうかなってわけやないけど、なんかまだしたろかな思うけどな。
北さんかー…
侑「いやでもおかしない? おかしいって。 ないわないない」
治「なにその自信、なにがないんや」
北「…もしもし」
北さんが電話に出ながら少し後ろに行く。
なんでかしらんみんな黙っとるし、北さんもあっち行かへん。
北「あぁ、穂波ちゃんなん?」
ほら、まじやん。
ないことないやん。
北さん、穂波ちゃんなん?言うて人がおらんとこに歩いてったし。