第31章 ガーベラ
「やっぱ穂波」
『早くッ 首絞めてッ もぉッ…』
普通にイこうって言おうと思ったその思考も
穂波の懇願するような顔と声に掻き消される
気管は絞めない、流石にそんな趣味はない
頸動脈に添えた指にくっと力を入れると
穂波のナカが更に締まる
数秒そのまま穂波の脳みそに酸素が行かないようにして…
でもあんま長くやるのは怖いから
穂波の目を見ながら いいところでふわっと離す
穂波のナカもふわぁっと緩んだかと思うと、
身体をビクビクっとさせて穂波がイく。
おれも同時に果てた。
どくどくと吐き出してる最中、
身体の力が抜け切った穂波のナカだけがきゅうううと締めつけてきて
全部絞り取られるような感じがする
穂波の頭に手を伸ばし、
乱れた髪の毛を軽く整える
それから額や瞼、唇に優しくキスを落とす
数回口付けたあとそっと離すと、
とろとろふわふわの目で
女神か何かみたいな優しい表情をして
穂波がおれのことを見つめてる
『…気持ちよかった』
「…ん おれも」
『ちょっとだけごめんねって思った?』
「…ん」
『思わなくていいよ、研磨くんはひとつも怖くない
研磨くんの色っぽさと賢さがたまに怖いだけ
それでも研磨くんはちゃあんと優しいから、結局怖くない。大好き』
「…ん」
『うーこのまま寝ちゃいたいね』
「うん、いつでも寝れる」
おれの胸に顔を埋めるようにしてる穂波の頭を撫でながら
ぽつぽつと話をする
やり切って何も考えれない頭にも
穂波の声は心地いい
トーン、話の内容、テンポ
おれには穂波以外必要ない