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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第31章 ガーベラ


ー穂波sideー




12月24日(月)




冬休みに入り、
一昨日、昨日と1日練習で、今日は半日。

研磨くんは一度家に帰ってから来るとのこと。





部屋や家の掃除をしたり
滑り込みセーフで年賀状をポストに投函したり
商店街で夜ご飯のお買い物をしたり
朝一に焼いたケーキがしっかり冷めたら、ナパージュと粉糖でお化粧したり。








そうこうしてるうちに、インターホンが鳴る。
研磨くんだー!








鏡をみてさっと髪の毛とかチェックして…
ってもういつもいろんな姿晒してるんだけど…
なんとなく、こういう時くらい、さ。







ドアを開けると研磨くん。
わかっていても嬉しい!
ぎゅーってしたい、今すぐ飛びつきたい!







モスグリーンのフーディにパタゴニアの白いボアパーカー、
グラミチの墨色のパンツに黒いコンバース。

ううう…いつもいつもかっこいい。






『研磨くん、ようこそ』

「…え、うん。お邪魔します?」

『…ふふ。 ささ、どうぞ』

「うん、あっと穂波これ。 はい」






すっと目の前に差し出されたのは、
明るい明るいオレンジ色の花束。







『…わぁ ありがとう。 …嬉しい』







去年あったことが今年もそっくりそのままあるとは思ってない。
今年も一緒に過ごせて嬉しいな、という気持ちだけでいた。

そしたら、こんな…

去年もこうして玄関で、ちょっと、
いやだいぶ恥ずかしそうにしながら花束をくれたんだ。







「…ん」

『研磨くんが選んでくれたの?』

「これと、これと、これを選んだ。
花見るとどれも穂波っぽいって思うからキリがないんだけど、
なんとなく、今年はそれにした」





…今年は。 きゅん。





研磨くんが指差したのは、
オレンジ色のガーベラ、くすんだピンクのかわいいヒペリカム、
それから緑と白のクリスマスローズ。





『本当に嬉しい。ありがとう』






お店の人のアレンジもすごくいい。
キイチゴの明るい緑色の葉っぱ、オレンジのピンクッション、
淡い色合いのトルコキキョウ、オレンジのシャーベットみたいな色の薔薇。
それからレモンリーフ。

明るくって、軽やかで、踊ってるみたいな花束。











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