第29章 山茶花
ー穂波sideー
いつもとちょっと違う
否応なく激しく突かれて
手も縛られてて
研磨くんの目は相変わらずで…
背中に手を回して、くいっとわたしの状態を起こすと
手首を縛っていたネクタイを外し…
上に上がったままだった腕を背中に回すようにしてからまた、縛った。
「座ってたら、もっとぎゅってできるから」
首筋に顔を埋めながら、
背中に手を回しわたしをぎゅっと抱き寄せてくれる
制服着たままだから肌の温度はあまり感じれないけど…
でも気持ちいいし、安心する。
研磨くんの腰に脚を絡めるとさらにぎゅうとくっつく。
研磨くんは背中に回した手を下におろし、
お尻をぎゅって掴みながら円を描くように腰を動かす
「…ッ………」
『…んんッ ぁ…』
扉を閉めていてもDJの音、
盛り上がる人たちの声やいろんな音が聞こえる。
ガタッ
「 ! 」
『 ! 』
誰か、来る。 扉が少しだけ開く音がした。
流石の研磨くんも動きを止めて息を潜める
「あっ すみません。 そこは立ち入り禁止になってます」
「えーでも開いてるよ?」
「すみません、立ち入り禁止なんです」
誰かが、入るのを遮ってくれてる。
…この声って、あの、写真部の子、かな
扉ががたんと閉められたのを確認して
研磨くんはまた、腰を動かし始める
「穂波…」
『…んっ……』
「ちょっとだめだ、気持ち良すぎる」
『…んっ』
眉をしかめて余裕のない表情でわたしを見つめる
円を描くようにしてた腰が、また前後に動き始めた
奥を突かれながら壁が擦れて…
研磨くんの目を見ると、すごく色っぽい目をしてる。
余裕がなさそうなのに優しくって、綺麗で…
『…んあっ!………』
「 ! 」
大きな声が出てしまった。
しかもそのタイミングが見事に、DJの音が止まるタイミングだった。
演出のために曲調が変わる寸前で一度止めて、
数秒経ったらバーン!って盛り上がりのピークみたいな音が流れるやつ。
よりによってそんなタイミングで大きな声が漏れちゃって…