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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー穂波sideー





研磨くんに家まで送ってもらった。
二人並んで自転車を押して。



今日はすこし不思議で、幸せな一日だったな。



膝枕もしたし、キスしてるとドアがノックされるドキドキ感も味わった。
お昼ごはんも一緒に食べて、
こたつで研磨くんの身体と溶けて一つになった。
お風呂でも、止まらなかった。

アイス屋さんでは2人ともこっくりした味を選んで、
どれもすっごく美味しかったけど、
ちょっとあと口が水筒の水だけじゃあな…って思った頃に
熱いお茶をいただいて、なんだかタイミングばっちしで。

窓の外をぼんやり、研磨くんと2人で眺めた。
木枯らしがぴゅーと吹く、外の景色を、ただぼんやりと。
…あぁ、もう冬が来るんだなという、濃ゆい濃ゆい、気配。匂い。
そういうのは言葉でシェアできるものじゃないから、
並んで一緒に時を過ごせることをとても幸せに思った。
来年も、これからも、きっとずっと… とか。





…それからスーパーでお会いしたおばあさん。
品が良くてかわいらしい方だったな。
薄ピンクの山茶花の花言葉は、永遠の愛。
そんな意味をわかって渡されなくても、どんな意味の花言葉でも、
花を見て自分のことを想ってもらったり、渡してもらえるのは嬉しい。
でも、それが偶然にもそんな素敵な花言葉を持っていたら。
ふわふわと舞い上がってしまう。

山茶花のおばあさんは魔導師だったのかも、って…研磨くん。
今思い出しても、かわいい。
研磨くんの現実とファンタジーの行き来を垣間見るのは楽しい。

…結局研磨くんはおばあさんにどんな魔法をかけられたって思ったんだろう。
それが、いまいちわからないけど、まぁいいんだ。
今日の研磨くんはなんだか割増でかわいく愛おしかった、な。







来週末は文化祭。
今年はステージで踊ることにしたから…
あと1週間。

スタジオの空き時間を使って練習したり、
実行委員の人たちとリハをしたり。
ちょっといつもとは、違う1週間になる。

でもきっと研磨くんとの時間はいつも通りで。
それがなんだか、今からとても嬉しかったり。









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