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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー研磨sideー






『待って、研磨くん』







穂波がおれの言葉を遮る。







「………」

『大丈夫、冷えてない。そのためにこの柔らかいお肉があったりして』

「…やわらかいおにく」






太ってはないけど、痩せてもない。
柔らかくて女性らしい、穂波の身体。







『研磨くんは、ほら、これがないから、きっとある人より寒いのかも』

「…装備」

『いや装備っていうより、そもそもの特性?まぁ、徐々に変化はあるだろうけど』

「………」

『あとわたしも寒くなったら逃げるし、そのタイミングはそれぞれだからさ』

「………」

『研磨くん、ありがとう。ちゃんと見てくれて、想ってくれて。わたし嬉しい。幸せ』

「…ん」






…なに言ってんだ、おれ。
なんかすごい馬鹿っぽくなかった?
なのに穂波すごい優しい顔して、
嬉しそうにまでしてくれてるし。







『…なんで女の人は身体冷やしちゃだめなの?』







歩き出した穂波はすこしいたずらな顔で振り返って聞いてくる







「………」

『…ふふっ』

「………」

『でも、身体はさ、性別関係なくさ、冷やさない方がいいからさ。
研磨くんはいつも通り逃げていいからね。わたしも逃げるから』

「…笑」

『…ふ 笑』

「ふはっ 笑」







スーパーの冷蔵コーナーから逃げるだの逃げないだの、
改めて話すと可笑しいな

でも穂波はからかってくるわけでもなくって…
だから余計にか、可笑しく感じた。






スーパーでの買い物一つとっても、ほんとあれだ。
しあわせってやつだ、穂波がいると。








…婚約期間って、長いとだめなのかな。
何年、とか決まりがあるのかな。
婚約ってなに? 結婚を約束すること?









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