第29章 山茶花
ー穂波sideー
夢の中でも研磨くんと一つになって、
ほんとに蕩けてしまうような心地
気持ちよくって思わず漏れた自分の声で目が覚めた。
ぼんやりしてて最初なにが起きてるか分からなくて、
分かったときには、目がちゃんと覚めたのを見計らったように研磨くんは刺激を強くして、
わたしはその思惑通りに達してしまう。
「…ふふ かーわい おはよ、穂波」
こたつの中からひょこっと顔を出して研磨くんが言う
『…ん 研磨くん』
「のどかわくよね、はい」
『…うん、からから。 ありがとう』
研磨くんからグラスを受け取りごくごくと飲み干す。
「…シャワー浴びよっか …いや、もうお風呂入っちゃう?」
『…ん。いいなら、一緒に入りたいな』
「ね、用意してくる」
『あ、いかないで』
「え」
こたつから出ようとする研磨くんの腕をそっと掴む
『研磨くんがあんなことするから… また欲しい』
「………」
『もっかい、しよ?』
「…いい、けど」
『………』
「アイスは? 流石に遅くなるかも」
『…あ、そっか うん、そうだね… アイス、食べたい』
これから部活も一層いそがしくなるのだろうし、
アイス屋さんに行く機会もあまり、ないかもしれない。
それに、季節のアイス食べたい。
「…ふ 笑」
『………』
「おれは穂波だけのだから。 また、次ね。 風呂洗ってくる」
研磨くんはパンツないんだよな…って呟きながら、
そのままスウェットパンツを履いてお風呂を洗いに行ってくれた。
その間にこたつの中とか周りをみて、
研磨くんのもわたしのも発見しておいた。
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…結局一緒にお風呂に入ってたらお互いに、
特にわたしの方が欲しくなっちゃって半ば襲うように研磨くんを求めてしまった。
…なんだか今日はもう、とろっとろだ。
こたつでも、お風呂でも。
ほかほかのとろっとろ。
ここに冷たいアイス。
…そこにまたわくわくする。