• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花


ー穂波sideー





「運天も弟と一緒に乗ってくか?」






直井さんにそう言ってもらったけれど、
カズくんと寄りたい場所もあるしお断りした。






「穂波明日うち来る?…部活休み」






研磨くんがわかれ際に素敵なお誘いを。
2つ返事。

明日蛍くんが前に誘ってくれた仙台でのライブがある日だったのだけど、行かないことにした。
また東京かどこかで一緒に行こうね、なんて言いながら。
人の縁って不思議だなぁ。

初めて蛍くんと音駒であった時は、
こんな風に好きなバンドのライブに
一緒に行くだの行かないだのと話す仲になるなんて思いもしなかった。






「穂波何考えてるの?」

『縁って面白いなぁって考えてるよ』







カズくんは古森くんや直井さんにわたしの弟扱いをされて、少々不機嫌だ。
でもこの後スケボーショップに行ったり、
あてもなくぷらぷらすることになっているので、きっと大丈夫。
普段スケボーを持たずに2人で外出することがないから、
「普通のデート」っぽいことができるってカズくんは呟いてた。






「…縁? さっきのまろ眉のやつのこと?」

『へ? あ、古森くん? いや、古森くんのことじゃなかったけど、そうだね、それも縁だね』

「…あいつに似てる」

『…ん?』

「穂波の前の彼氏」

『えっ!? そう? え、そうかな?』





いや、似てないよ、全然。
がたいがよくて、タトゥー入ってて、一見強面で… って外見の話じゃないか。

笑顔が可愛くて、人当たりが良くて… ってとこかな。





『…そりゃ、特徴みたいなのを羅列すれば被るとこはあるかもしれないけど、そんなのキリがないよ。
でもカズくん、それがどうかしたの?』

「…別にどうも。ただ、ちょっと、焦ってる」

『ん?』

「力も、身体の大きさもまだまだついてけない。
研磨と穂波見てるとおれも、って思うけど、
ああいうデカいやつとか、ああいう性格が俺と全然違うやつみると、
なんかちょっと …焦る」





きゅうううん






/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp