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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第29章 山茶花







11月17日(土)
クロさん18歳の誕生日。




11月入ってすぐの土曜日の春高選抜大会で音駒高校も梟谷学園も勝ち残って、
今日の代表決定戦への出場を決めた。

その日はいくつか用事が重なり観戦に行けなかったけど、
今日は前々からレッスンを振り替えてある。
初めての音駒高校の公式戦観戦。墨田区総合体育館にて。





研磨くんは一見いつもと変わらないように見えるけど、
翔陽くんたち烏野高校が春高に行くことが決まってから、
確実に何かが違う。

覗き見してるわけじゃないんだけど
翔陽くんからの代表決定戦で勝ったって報告のメールを時々開いてみたりしてるようだった。

きっと、研磨くんにとっても初めての感覚なんだろうと思う。
無理に言葉にして説明する必要はないし、
掴めきれない感覚を形として捉える必要もないと思う。

だから、とくに何も聞かず。
ただその様子をそばで眺めれることに感謝したりして。





「球技の大会なんか初めて来る」





総武線の車内でカズくんが呟く。
今日は、カズくんも一緒に観戦する。





『…ふふ。カズくんとこれて嬉しいな』





初めてなのは球技の大会にくることだけじゃないよね、とか思いながら。
研磨くんに興味を持って、心を開いて仲良くなって。
研磨くんがバレーしてるの見たいって言って。





「…文化祭は?審査通った?」

『あぁ、うん。通ってしまったよ』

「おれも見に行けるの?最近穂波の踊るとこ見てない」

『そっか、来れたらおいで。
って言っても体育館のステージだから、わたしパッとしないかも』

「…穂波は海にいる時が一番かわいいからね」





文化祭、2日目のステージは審査に通った場合のみ立つことが出来て。
とりあえず受けてみるか、くらいの気持ちでエントリーした。

犬岡くんが踊りを見たいって言ってくれてたのもあったし、
自分の経験値アップ的な…
そんな好奇心による動機からだったけど。

学校近くのスタジオ、
それから花ちゃんのクラスのあるスタジオの、
空いている時間に場所を借りて練習したりしてる。





「フラを踊るの?」





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