第25章 秋刀魚
優しい声で、欲しいんだね。って言われると
単純にもう、もらえるんだって思ってしまう
頭も身体も…
そんなわたしの反応とは裏腹に
研磨くんの頭がするするーっと下に降りていく
わたしの足元にしゃがみこんで裾を広げる
下着に手をかけ丁寧に脱がされ、そのまま脚の間に研磨くんの頭が収まる。
れろっと、研磨くんの暖かい舌が触れる
『…んッ……』
そのままジュルジュルと音をさせながら
研磨くんの舌や唇で弄ばれる
ただバランスを取るために太ももに触られている
その手のひらの感触、体温さえ心地いい
『…んんぁッ……』
じゅじゅじゅっと音を立て吸われると
頭がくらっとして身体が震える
洗面台に着いた手に体重を思い切り預けて、
なんとか膝が崩れるのを抑えた
研磨くんは立ち上がりながら、手の甲で口をぬぐう
…その動きも色っぽくって
衿元を掴んで引き寄せて唇を奪う
舌を絡め、吸って、唇を甘く噛む
もう、次はくれるん…だよね?
そんなことも思いながら
『…んはぁっ……』
唇が離れると、混ざり合った唾液がつーっと糸を引く
研磨くんは腰に手を添えてわたしの身体を半回転させる
徐ろに浴衣を捲り上げ、研磨くんのをあてがう
ゆっくりと腰を沈め、
奥まではいると一度動きを止めて後ろからぎゅうとしてくれる。
顎をくいっと斜め後ろに引かれて
そのまま深くキスをする
『研磨くん、大好き』
「…ん、おれも」
ゆっくりと腰が動き出す
目の前が鏡で… 恥ずかしいので俯いて研磨くんを感じる
「穂波、前、見て」
『………』
鏡に映った研磨くんを見る
色を孕んだ、研磨くんの眼…
たまらなくなって目を逸らすと、乱れた自分の姿
衿元は崩れ、胸も肩も露わになってる…
それとは裏腹にしっかりと腰に巻かれた帯…
一つにまとめた髪も、乱れてる