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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第25章 秋刀魚


ー穂波sideー






『…なんかね、今から取りに行きます!だといえるんだけど、
なかなかあれもしたいこれもしたいって言うのは、言えないでいる。いま結構喋ったけど 笑』

「…あぁ、わかるよ。 …どっちも」

『どっちも?』

「言えないのも、つい言っちゃってるのも」

『…そっか。ふふ』

「穂波とのことを考えると、ちょっとふわふわしたこと考えがちだから」

『ふわふわ』

「うん。平和ボケ。しあわせボケ」

『………』







シンクにもたれてた研磨くんがこっちに向かって歩いてきて…
それから帯びを結び終えたわたしの頭をぽんぽんってする







「ここはわざと開けるんだね」






うなじを指でつーっとなぞりながら言う






『うん、わたしはまだあんまり抜いちゃだめっておばあちゃんに言われるんだけど…
単純にラクだし、綺麗だし、東京ではついこのくらい抜いちゃう』

「…なんでだめなの?」

『嫁入り前だからって』

「へぇ」

『もうお嫁に行ってるようなものだし、気持ちだけは …はっ!』





また勝手に一人で先走る。
重いよね、重いってやつだよね。
16歳でお嫁さんだなんて、現代の日本では…






「…笑 謝ろうとしてるでしょ」

『…うん、ご……』

「いいって。嬉しいし。どんな家に住むのかも、何して生計立ててくのかも、
16のおれらが話しても夢物語みたいでふわふわしてるけど…
これからまだ時間はいっぱいあるし、ね。一緒にイメージしてこ」

『…へ。 あ、うん』

「…もう着れた?」

『…ん』

「綺麗だよ」

『 ! 』

「…笑 じゃ、行こっか」

『…ん』






まるで研磨くんの婚約者として正式に認めてもらえたような気分。







勝手にそう解釈しただけだけど…









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