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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第24章 かぼちゃ


ー穂波sideー





きれいとか、かわいいとか、かっこいいとか、好きとか。

別に軽い気持ちで言ってるんじゃなくって…
でも伝えたいと思った時にはもう口にしちゃってる。

わたしを好きって言ってくれてる蛍くんに、
好きだよ、だなんて。 馬鹿じゃないの、わたし。
怒らせちゃったかな。






「…はぁ。さっきから黙り込んでるけど、僕が怒ってるとか思ってる?」

『………』





考えてることダダ漏れなのかぁ…





「別に怒ってないから。…ただ、好きとか言われると、歯止め効かなくなる」

『………』

「それ、いまなんとか効かせてただけ。
次言ったら、キスするから。あと、次ありがとう連発したらその時もキスするから。
…いや、ペナルティみたいで変か」

『へっ 蛍くんとのキスがペナルティだなんて思わないけど…』

「…はぁ だからそういうの。 その後に、きっとまた動転するでしょ。
動転で済めばいいけど、それで彼氏と喧嘩になったらどうするのさ?最悪の場合は?
そうなったら結果的に僕とのキスがペナルティになりかねない。 それは僕もいやなの」

『…ごめん』

「…はぁ、だから別に怒ってるわけじゃないって」

『………』

「…ちょっと」






人のこと傷つけたくない、とかわたしが思うのってもうお門違いっていうか。
なんか、自分が気持ち悪い。

それでなんでわたしが泣くのよ、ってそれもまた気持ち悪いけど、
でも涙が出てくるのを抑えられなかった。







『ごめん、蛍くんのせいじゃないよ。自分のせい』








これだけは言っとかないと。







「泣かれるとキスしたくなるのに」







毒づきながら、優しく抱きしめてくれる。

…あぁ、もうすっかり慣れてしまった蛍くんの腕の中。
ぬくもり、胸板の感触、心臓の音、匂い。
なんでこんなに安心するんだろう。
出会って話すようになって1ヶ月なのに、何度抱きしめられたのだろう。








「…やっぱり宮城で会うのやめる、とか言い出さないでよ」










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