第23章 high
ー研磨sideー
イライラはもうとっくに治ってて、
でもなんだろ、ムラムラっていうか、
衝動的になって止められなかった
…まぁ、止めれたけど。
これは、止めれたに入るのか?
わかんないけど、バレーと学校とゲームだけしてた時とは
明らかに違う経験をいっぱいしてる。
心も、身体も。
…って、当たり前か。 …今更だし。
「おれも、あるよ。それ。
でも、リエーフとか木兎さんとか月島とかじゃない」
『…それとは?』
「んー、穂波がおれ以外のなにかをみて、すごいかわいい顔してるの。
表情がかわいいだけじゃなくて心も持っていかれてる気がするの」
『へ』
「…馬とか。 風とか葉っぱとか。 あと、海」
『………』
「日差しがあっついのに、太陽をひとつも溢さないようにしてるみたいに見えたり」
『………』
「…でも、妬きもちはさすがに妬かない。あと今日いいこと知ったし」
『いいこと?』
「うん。教えないけど」
『………』
「あ、ひとつ言っとくとカズマはもう男の子じゃないよ。あれは、男」
『へっ!? 何をいきなり』
「…いや、なんとなく」
『………ねぇ、研磨くん。 もう、シないの?』
穂波が身体をちいさくねじねじしながら聞いてくる。
ずる。 がばって、覆い被さりたくなる
「今は、ね。 穂波ん家行く途中で買ってく」
『…ん』
2人でそのままごろごろ、ごろごろした。
おれん家でごろごろしたのとか、あんまない。
年明けにうちに来た時、こたつでしたくらいか。
裸にクロのTシャツだけ着てて、エロい。
そんなの1ミリも考えてなさそうなとこがまたいい。
大胆な格好してても、大胆なこと実際してきても、
そもそもの所作が綺麗だから、
そのアンバランスさがすっごい、色っぽんだよなぁ…
子供できて女の子だったら、和装してする習い事させよ…
踊りもいいよな…
『研磨くん、何考えてるの?』
「…何って、えっ…と…」
またふわふわしたこと考えてた
そんなことよりもお金稼ぐことが先だっての。
「まぁ、なんかいろいろ」
『…そっか。 なんか、優しくて楽しそうな顔、してた』