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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



今日から新サバイバーになった。


どこに行けばいいのか分からないまま立っていると、看護師のような服装の人がいた。


「もしかして、新サバイバーの方?」


そう聞かれて、とりあえず頷く。


「ナイチンゲールさんから話は聞いているわ。私は医師のエミリー・ダイアー。よろしくね」


『あっ、私、です、よろしくお願いします』


「荘園にはもう行った?」


私が首を横に振ると、「あら、そうなの?着いてきて。案内するわ」と言われて、医師──エミリーさんの後を着いて行った。


彼女は優しく丁寧に案内をしてくれた。


荘園には同じサバイバー同士の人なのか、女性が2人と男性が1人いる。


麦わら帽子でエプロンを着ている人が私に気づいた。


「あ!新サバイバーの人?私は庭師のエマ・ウッズなの!よろしくなの!」


その人はとても明るくて、私は返事に困った。


自分の名前を言い終わると、エマさん、は片手を出した。


──握手ってことかな。


私も手を出して、恐る恐る彼女の手を握る。


『(合ってるのかな……)』


握手をすると彼女はニコッと微笑んだ。


『(可愛い……)』


あとの2人も名前を教えてくれた。


ウィラ・ナイエルさん。


イソップ・カールさん。


調香師と納棺師の人で、調香師さんの人はいい香りがした。
納棺師さんは人と話すのが苦手なのかな……?って言う印象。


エミリーさんの話を聞くと、サバイバーは全員で28人もいるらしい。


他にもハンターがいる。


名前覚えられるかな、と心配になった。

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