第2章 始まり
今日から新サバイバーになった。
どこに行けばいいのか分からないまま立っていると、看護師のような服装の人がいた。
「もしかして、新サバイバーの方?」
そう聞かれて、とりあえず頷く。
「ナイチンゲールさんから話は聞いているわ。私は医師のエミリー・ダイアー。よろしくね」
『あっ、私、です、よろしくお願いします』
「荘園にはもう行った?」
私が首を横に振ると、「あら、そうなの?着いてきて。案内するわ」と言われて、医師──エミリーさんの後を着いて行った。
彼女は優しく丁寧に案内をしてくれた。
荘園には同じサバイバー同士の人なのか、女性が2人と男性が1人いる。
麦わら帽子でエプロンを着ている人が私に気づいた。
「あ!新サバイバーの人?私は庭師のエマ・ウッズなの!よろしくなの!」
その人はとても明るくて、私は返事に困った。
自分の名前を言い終わると、エマさん、は片手を出した。
──握手ってことかな。
私も手を出して、恐る恐る彼女の手を握る。
『(合ってるのかな……)』
握手をすると彼女はニコッと微笑んだ。
『(可愛い……)』
あとの2人も名前を教えてくれた。
ウィラ・ナイエルさん。
イソップ・カールさん。
調香師と納棺師の人で、調香師さんの人はいい香りがした。
納棺師さんは人と話すのが苦手なのかな……?って言う印象。
エミリーさんの話を聞くと、サバイバーは全員で28人もいるらしい。
他にもハンターがいる。
名前覚えられるかな、と心配になった。