第7章 誕生日
「それで、これ着た感想は?」
胸元にすり寄るローに問えば、
「抱きてェ」
これだ。
「そうじゃなくてつなぎって初めて着たから感想聞きたい。似合う?」
「正直、お前のサイズで着なきゃわかんねェ」
肩からつなぎをずり下ろされる。
もうスイッチが入ったローは人の話など聞かずに鎖骨を噛んできた。
「明日からまた別なんだ、気が済むまで付き合って貰うぞ」
「待って、まだ昼前…」
「誕生日のお願い、なんでも付き合ってくれるんだったよな?」
「あ…」
言いました。
「そうだな…」
「?」
「感じるままに言葉にしてみろ」
「は?」
気持ちいい、イく、その都度感じたことを言葉にしろと?
目の前の男が何を考えているか分からないが、変態だということは分かった。
最近のローの性癖が分からなくなってきた。
「感じたまま言葉に出せばいい」
「いやいや、どこぞの女みたいに喋りながら喘げと?」
何事も経験だとか抜かすが、誕生日の件を持ち出され了承させられる。
「期待に添えなくても怒んないでよ」
「言えるように誘導してやる」
カプリとお決まりのように首筋を噛んできた。
その噛み方にぞくりと快感が走る私も、だいぶローの性癖に毒されているようだ。
「んっ…」
「噛まれて、舐められて、どんな気分だ?」
「…ぞくぞく、する…」
「どこが?」
耳朶を甘噛みされながらローが問う。
「背中、から腰にかけて…」
「キモチイイ?」
「んっ…みみっ」
直接耳に語りかけるように囁くローから距離を置きたいが、がっちりと抱き抱えられていて体が離せない。
「言葉にしろって」
「…耳やめて」
「そうじゃねぇだろ」
がぶっと噛みつかれ、もう片方はさわさわと耳朶に触れる。
耳が性感帯のひとつで、刺激されると弱い。
そのまま手で耳を刺激されながらローの唇は胸へと下がる。
つなぎの上半身を脱ぎ、下着も取られて露になった胸に顔を寄せて舐めあげる。
それを目で追っていたら、色気のありすぎるローの姿に堪らなく欲情してしまった。
「ロー…下も触って…ほしい」
「どういうふうに?」
「…いつもみたいに」
「いつもって?」
もどかしい。
なんでもかんでも言わせたいこの男に焦れったさを感じて、ローの手を取り下着の中に誘導する。
ローの肩に頭を預け、ゆっくり息を吐き出しながら掴んでいたローの指をナカに埋めさせた。