第6章 休暇(後半)
「ちょ、お前どこ触ってるっ…」
「ここ気持ちいいよね」
するりと脇腹から腰にかけて撫で、うなじに吸い付く。
自分から甘い匂いがして、香水はつけないのになんの匂いなんだろうかと考える。
「ローも、この体好きに弄って良いよ?」
突っぱねてきた手を取り胸や下腹部に這わす。
抵抗してくるがさすがローの体。力が強くその抵抗もなんなく押さえ込めた。
これが自分の体だったなら力の使い方でこの拘束からも抜け出せただろう。
残念ながらコツの分からないローでは力負けしてされるがままだった。
「くそっ、力弱すぎだ」
「押し返すタイミングと箇所が違うんだよ」
「いい加減に体を返せ。能力使えンのはお前なんだ」
「わかってるけど…」
後ろから耳を食みながら反対の耳を撫でる。
もう一方のてで服の上から胸を掴みもどかしさを感じる程度に揉んだ。
自分の体だからどのくらいの力加減が効果的かわかり、その通りに反応していくローに危ない思考に落ちていく。
「……一回シてみよう?」
「は?」
「この体を交換した状態で。男がどんなものなのか体験してみたい」
クロエの顔で絶句しているロー。
なかなかに酔狂な思考にたどり着いてしまったが、自分の体でもローが反応を返してくれていると思うと欲情してしまったのだからしょうがない。
情事に関してはやられっぱなしの事が多いが、今ならこのドSな思考を満足させられるだろう。
「俺は自分に抱かれる趣味はねェ!」
「なら後ろ向いてれば良いよ。そしたら見えないでしょ」
「そういう問題じゃっ…」
後ろから覆い被さったままで前開きの服を脱がしにかかる。
じたばたする体を押さえ込むことのなんと簡単なことか。こうも簡単だったとは、世の女性は気の毒だ。
下着もさっさと取り払い素肌をさらす女体の上半身に、血液がすべてそこに集結しているかのようにドクドクと熱く下腹部が反応する。
「男も大変だね…こんなもの抱えながら最後まで我慢するんだ…」
「っやめろ」
掌で下から包みあげるように胸を揉み、指で頂を捏ねる。
ぷっくりと立ち上がったそこを弄り続ければローの息も荒く体がビクッと反応する。
変なスイッチのはいったクロエへのわずかな抵抗か、声を押さえることにしたようだ。
押し返していた手は頑丈に口を覆っていた。