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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第2章 幼馴染みたち


「なに話してンのかな~」
「近く行ってみれば?」
「やだよ。これ以上近づくと流石にバレるだろ」

コテージのバルコニーに設置されたカウチに隠れるようにしてビーチを覗くシャチとペンギン。
視線の先にはローとクロエがいた。

幼い頃から共にいた二人が恋人同士となり、立場が違えどずっと想い合う二人に尊敬する。
それと同時に色恋沙汰の話題が少ない男中心の海賊船で、その手の話題に上りやすいのもこの二人だった。

キャプテン大好きなハートのクルーは彼に憧れをもって乗る者も多く、ローの行動はいつもクルーに観察されている。
故にクロエといる時のローも観察対象なわけで、そのやり取りは恋やらに飢えている男共からしたらリアルな恋愛小説を読んでいるかのようだった。

「あ~早く他のやつらにもクロエ紹介してェな」
「まだ終わらないのかね、"恩返し"」

彼女の海軍に属する理由と、情報が漏れないよう幼馴染み以外は知らない二人の関係。
クルーはローに恋人がいるのは知っているが誰かまでは知らない。よってシャチとペンギンはいつも二人の様子をクロエの正体を伏せたまま話してやることしか出来ないのだった。

「見てみろあのキャプテンの顔!甘ェェ…」
「てかクロエ可愛い~」

普段はめったに拝めない二人が恋人だけに向ける顔に、テンションが上がると同時になんだか照れてくる二人。
すでに力が抜けているローを、今度はクロエが後ろから支えている。
普段人に支えられるよりも支えることのほうが多いローが無条件に甘える相手がクロエで、クロエもローのすべてを自然と受け止めていた。

近くなったローの髪を梳きながらなにか穏やかに話している二人。
そのまま顔を傾けたクロエに、ローが後頭部に手を回して引き寄せるようにキスをしていた。

「あ~~腹いっぱいデス」
「同じく」

そのまま深くなっているだろうキスに顔を背けて室内に入る。
クルーの前ではいちゃつかない二人がいちゃついていると覗きたくなるのだが、あまりにもディープになってくると怯む二人だった。


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