第18章 番外編 きみとの距離
最近ローと距離を感じる。
今まではよく風呂上がりはバスタオル巻いただけで出ていたりしたが、近頃はそれをやると怒られる。
それに以前は同じベッドで本を読んだりしていたのに、それも怒られあっちいけと離れていってしまう。
抱きつくなんてもっての他で、ローに対してスキンシップの激しかった私はやるせない思いばかりが募る。
「寂しいねぇ、ベポ…」
寝ているベポを抱き締めながら呟く。
ローの代わりとなりつつあるこの白熊を抱っこする行為も、そろそろ限界に近い。
大きく成長し、私が抱っこされる側になってきた。
今も抱っこしているというより、端から見れば抱きついているだけ。
年齢的に思春期なのか。
何時までも男女差のない行為はローにとったら迷惑なのかもしれない。
そういう私も年齢だけ見れば思春期なのだが、前世オプションがあるために精神年齢は軽くおばぁちゃんだ。
モコモコした毛に埋まりながらその温かさを噛み締める。
ローでとっていた温もりがベポで取るようになり、そしてベポもそのうち離れていってしまう。
「はぁ、寂しいねぇ…」
独り言が声に出るなんて、本当におばぁちゃんじゃないか。
でも、寂しいんだ。
ローに触れていたい。
おもいっきり抱きつきたい。
全身で近くにいることを感じたい。
その想いがなんというのかは分かっている。
けど精神年齢だけはバカみたいに高い私は踏み出す勇気もなく、気持ちを認めることすら出来ない臆病だった。
(全て避けられている訳じゃないんだから…彼の成長のためにも現状を受け入れなきゃ)
結局理解しているフリをして、自分をごまかすしかなかった。
〉つづく