第16章 番外編 キスしよう
6.インサートキス、サーチングキス、
オブラートキス、カクテルキス、クロスキス
薄暗い部屋に明かりも付けずにいる二人。
目を凝らしても微かにシルエットが見えるだけの部屋で、重なる唇で互いの存在を確認しているかのように深く繋がる。
漏れる吐息さえ拾うようにローは唇を合わせ、そして苦しそうに逃げ惑う舌を引っ張りだし食んだ。
鼻呼吸だけでは追い付かず息絶え絶えなクロエを見ながら角度を変えて更に貪る。
ぐいぐいと舌を引くように食めば、引っ込めたローの舌に誘われるようにクロエは舌を出す。
ローの口内へと入った舌はペロリとローのそれを舐め、直ぐに出ていってしまった。
「…はぁっ、」
「肺活量ねェな」
息を整え終わる前にローは再びクロエに口づける。
文句も言えないようピタリと唇を合わせ、舌をクロエの中に差し込む。
押し返そうとするクロエの舌を押し退け、歯列をなぞる。
一つ一つ確認するように舌先でなぞると、肩を掴むクロエの手に力が入り、もぞっと腰が揺れたのもわかった。
逃げるように反らす頭をガッチリとホールドし、ついでに股がるクロエの腰から腿にかけて撫で上げた。
「ふっ…」
ふるっと身震いするクロエに気を良くしながら唇を少し離すと、自分の口から出たままのクロエの舌に強く吸い付いた。
「ぅあっ」
先端や、奥深く、様々な強さで吸い上げ、最後に下唇を食んで柔らかく吸った。
〉つづく