第16章 番外編 キスしよう
5.ニプルキス
「ローも食べる?上品な甘さで食べやすいと思うよ、コレ」
差し出されたフォークに刺さるタルト。
いらねェと言われたクロエは残念がる様子もなくパクリと自分の口にそれを納めた。
「やっぱ食う」
「え、タルトは今のが最後…」
様子を目で追っていたローが呟くと、クロエを抱き寄せ、唇の端に付いたクリームをぺろりと舐めとった。
「…甘ぇ」
チロリと見える赤い舌に、クロエはごくりと飲み込む。
「俺はこっちで十分だ」
驚き固まるクロエの唇を舌先で舐めていく。
たまに食む程度に噛まれ、そしてまた舐める。
下唇の端までいくと、今度は上唇に舌が移る。
「っロー…」
ついでにリップ音なんて響かせるローに、ゾクゾクとした感覚が体を走った。
「次の食べろよ」
「…っ」
最後に合わさるだけのキスをしたローはテーブルから次のスイーツを取る。
クロエの目の前に持っていき、その唇に押し当てた。
「ちょ…」
口を開けなかったクロエは、また唇に付くクリームを見て笑うローに後悔した。
「美味いな、スイーツ」
テーブルの上のスイーツがなくなるまで続いたローのお遊びに、大量に頼んでしまったことを後悔した。
〉相手の唇を舌先でなぞるキス