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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第13章 ハートの海賊団


「いい加減OKしてよ」
「うるせぇ」

昼過ぎ、起きてこなかったローを呼びに行ったクロエと、起きてきたロー。
二人はぎゃーぎゃーと言い争いながらリビングへと顔を出した。

詰め寄るクロエをスルーしながらコーヒーを取りに行くローに、グルグルと獣が威嚇するか如く怒るクロエ。
昨日から続く言い合いに、最初こそ宥めたり仲裁に入っていたが、いまは誰も感心なし。
理由も知っているだけに、もう好きにしてくれ状態だった。

「絶対、イッカクと女子部屋作る!」
「今さら変えるのは面倒だと何回言やぁ分かる。今のままでいいじゃねぇか」

言い合いの理由は部屋。
診察室での治療が終わった今、ローの部屋で寝起きしている。
だがクルーとして迎えられた今、キャプテンの部屋というのはおかしくないか?と思い、イッカクと話していれば彼女は女性な為ひとり部屋を使っているとの事。
ならばそこに一緒に入らないかと提案されたが、さすがに二人で使うには狭すぎた。
だから物置として使っていた部屋と入れ換えたいとローに提案した。
それを面倒だとかなんだかんだで拒否され続けているのだ。
面倒ってなんだ。ローが片付けやなんやするわけではないのに。

「なんでダメ?私が出ていけばキャプテンは今まで通り一人で部屋使えるし、移動だって自分でやるから手を煩わせる訳じゃないし!」

消化できない怒りをたまたまリビングにいたシャチにぶつける。
聞いているのかいないのか、サングラスの奥はわからないが、宥めるように紅茶が差し出された。

「まぁまぁキャプテンの気持ちも汲んでやれよ」
「気持ちって?」
「何って…」

そりゃ同じ部屋で恋人と一緒に居たいんじゃねぇの、と言おうと思ったシャチだが、クロエの背後に般若の面を背負うローがいたために言葉を飲み込んだ。
あれは余計なことを言うんじゃねぇ、の威嚇だ。

「ねぇ、なんなの」
「あー…ワカラネ」

逃げるが勝ち。
タイミングよく呼んでくれたクルーに感謝して不機嫌なクロエと般若のローから逃げた。

「キャプテンあんなに独占欲強かったんだな」

みんなが気付くローが拒否する理由。
だがクロエは仲良くなれたイッカクとの女子部屋にテンションがあがり、ローの気持ちに全く気付かない。

本当にどうでも良い話に、シャチはリビングから足早に離れた。


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