第1章 今の二人
自身の上に跨がりこちらを見下ろすクロエに啄むようなキスをする。
本当はすぐにでも口内に舌を突っ込んで荒らしたいが、この行為をクロエが好んでいた。
代わりに手は遠慮無しに彼女の体を這い回っている。
薄い生地のワンピースは服の上からでも彼女の体温を感じられる。
うなじに這わしていた手を背中から腰へとゆっくり撫でてやる。そうすればクロエはふるりと体を震わせて熱いため息をひとつこぼした。
彼女がローの頭に手を沿えたのを合図にローは薄く口を開けたその中に舌を捩じ込んだ。
少し後ろに逃げた頭をガッチリと後頭部に回した手で押さえてさらに深く口付けた。
「ん……ふっ」
鼻で息をしていても苦しいのか漏れ出た声にどんどん興奮していく。
会いたいと思っても簡単には会えない彼女が今は自分の膝の上にいる。
初な関係なんて遥か昔に置いてきたというのに、いまだその頬を赤らめてローのキスに酔いしれている。
だからか欲の塊は大きく膨れ、彼女に入りたくて主張していた。
「んっ…ツラそうね」
彼女の下肢の下で主張するそれをひと撫でしてクロエは薄く笑った。
形をなぞるように少し強めに指で触れ、ピクピクと反応するそれを楽しんでいた。
恥じらいを持っていないとは言わないが、それでも幾度も重ねたローとの行為に彼女も少しは大胆になるわけで。何をするにも恥じらっていた頃を少し懐かしく思いながら、ギリギリのところを保っているそれを刺激してくるのを制しながらワンピースを剥ぎ取った。
薄く淡い色の生地の下はやはり淡い色をした下着。そして形よく収まる双丘。その谷間に顔を突っ込んだローはいつもより強めに吸い付いた。
「痛っ!」
もちろんわざとだ。
色濃く跡が付き、またその左右にも同じように吸い付いていく。
邪魔になってくる下着を取り払うと、ふるん、と姿を表すピンクの頂にかぷりと噛みついた。
「ひっ…」
ちゅくちゅくと固くなり始めたそこを舐め回し、いい加減刺激するのをやめてほしかった彼女の両手を自分の頭に持っていった。
快感を逃そうとぎゅっとローの頭にすがり付くクロエに、"もっと"とねだられているように感じた。