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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第1章 今の二人


キラキラと揺れる波に反射した光がクロエを照らす。
戦いに身を置くものとは思えないほど、日差しに照らされた肌は白い。
以前見たときよりもいくらか傷が増えているように見えるが、それでも柔らかく弾力をもつ肌に指を這わせる。
親指の腹で新しいものであろう薄くなった切り傷を撫でていく。
たったそれだけの事なのに、愛しいものに触れたとたん体がドクドクと強く波打つ感じがした。
ご無沙汰すぎて、セックスを知った思春期の少年かのように頭も体も急激に興奮していくのがわかった。
いい加減起きてもらって久々の再会を楽しもうと、ローは無防備にさらけ出された彼女の耳に噛みついた。

「ぅんっ…」

ついでにくちゅりとわざと音をならしながら愛撫してやるとようやくクロエは意識を浮上させた。
寝起きの声に軽く半身が痺れたのは秘密だ。

「よぉ、起きたか」
「………ろー」

瞬き数回してローの姿を確認するとふわりと笑った。

「久しぶりね」
「会うのは一年ぶりくらいか?」
「そうね……あの、まさか私襲われてる?」

会話している間もちゅっちゅといろんな所にキスを落としながら、手は腰回りをいやらしく撫でていた。

「そうだな。してェ」
「ど直球ね…ベポ達は?」
「夕方まで船の見張りだ。夜に合流する」
「そう…」
「やらせろ」
「まぁ…それなら…」

少し困った顔をしていたが、今暫くはローしか居ないと分かり、諦めたようにローの首に腕を回した。

「私も久々なんだから手加減してね」
「加減なんか出来るわけねぇだろ」
「……」

ニヤリと笑うその瞳はギラついていて、獰猛な獣のような荒さが見えた。
狩るものに、狩られるもの。暫し感じていなかった身の危険を感じるもすでに相手のテリトリー内。
完全に体の要所を押さえられて逃げる術はなかった。

「せめて意識飛ばさせるのだけはやめてね」

ベポ達に会うの楽しみにしているんだから、と喋り続ける唇を黙れとでもいうかのように塞ぐローだった。



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