第10章 変わる時代
「一命取り留めたんだ…」
『あぁ。今後の回復具合はアイツの生命力次第だがな』
「それでもよく救えたね…」
休日に海軍借り上げの宿舎の自宅で、酒瓶を直接口付けて飲みながらローと連絡を取り合っていた。
麦わらを保護し治療を施したそうだが、遠目でも酷い状態だった麦わらを良く治療し生かせたなと、その医療技術に感心してしまった。
何処にいるとかそういうことは知る必要ないので聞かなかったが、なんとなく心当たりがあった。
決戦の時に近くにはハンコックがいて、ローの船が潜水する際に共に連れていた蛇を追わせるかのように放っていたのだ。
それに、麦わらが意識なく運ばれていく様を死にそうな顔をして見上げていたのも知っている。
(あれは完全に惚れてるよね。女帝をおとすなんて…麦わらに興味が出てきた)
決戦後すぐに姿を消したハンコック。
おそらく麦わらの下へと行ったのではないかと考えている。
島は女人以外禁止されているから入れないとしても、ロー達は麦わらの治療のためその付近にいるだろう。
(まぁ報告なんてしないけどね)
ロー達も巻き添えを食ってしまうから。
ローも私もこの騒動後の環境の変化のため、しばらく会えないことやローが七武海入りを考えてることなど聞き、通話は終わった。