第5章 伍.来世に繋ぐ物 ※
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あれから一月程が経った頃、伊黒から文が届き結婚式をする日程のお知らせが改めて届いた。
元より伊黒たちの結婚式の後に俺達も挙げると言っていたのだ。
と甘露寺が文通でやりとりして大体の日時を決め合っていたのは知っている。
俺達の次には恐らく冨岡から胡蝶との結婚式について手紙が届くだろう。
栗花落と竈門はもう少し先になるだろうか。
我妻と禰豆子は二人より先かもしれないな。
「何してんだァ」
「未来に遺す手記を書いてるの」
「なんだそら」
「生まれ変わりとかあんのかなぁとか考えてて、もしあったら、生まれ変わっても実弥さんを見つけれるように」
「ンなのなくたって来世でも一緒になんだろ」
「そうだといいね?」
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【大正 鬼殺隊 記録 記:】
物心がついた時より、鬼に育てられる。
齢八歳、炎の模様の羽織が特徴である炎柱、煉獄慎寿郎殿に助けられ、煉獄邸に住まわせてもらう。
同い年の伊黒小芭内もまた、鬼に支配され、炎柱に助けられ身を寄せていた。
鬼の元凶は、鬼舞辻無惨。
この鬼を討伐すべく、後に炎柱となる煉獄杏寿郎と共に《炎の呼吸 指南書》を読み漁り、二人で鍛錬を重ねる。
当時目にしたことがある《月の呼吸 考察書》を求め当時の屋敷に戻る。
見つけた指南書は残念ながら一部しか読めなかった。
炎の呼吸で学んでいた事を生かし、月の呼吸を真似してみるが出来ず、代わりにとてもしっくり呼吸が体に行き渡る感覚を覚え、その呼吸で一人鍛錬を続ける。
後にこれを星の呼吸と名付けた。
《星の呼吸 指南書》を別途書き記すことにする。
煉獄家で覚えていた最終選別へと一人で向かい、合格した後、月の呼吸を知っている者を探すべく階級をあげるためひたすら鬼を狩る。
しかし誰一人現れることがなかった。
月の呼吸を初めて見れたのは、上弦の壱 黒死牟と言われる鬼が使用していたものだった。
上弦の壱撃破後、鬼舞辻無惨を殺すべく残った隊士全員でかかり、犠牲を出しながらも日に当て灼き尽くすことに成功。
竈門炭治郎隊士が鬼にされるも、妹 禰豆子の制止もあり薬を打ち最後の鬼は人間に戻り、鬼のいない世界を実現することに成功した。
以下、私の知る隊士の活躍を記す。