第5章 伍.来世に繋ぐ物 ※
その日の夜は玄弥と伊藤が夜ご飯を支度してくれて、は煉獄並に美味しい美味しいと連呼しながら食べていた。
「風柱様と様は挙式はいつにするんですか?」
「考えとかねェとなァ。あともう風柱じゃねぇぞ」
「不死川様」
「玄弥くんもじゃん?」
「実弥様、玄弥様」
「様つけられるのはちょっと…」
「実弥さん、玄弥さん」
「じゃあわたしのことも様やめてよ」
「さん」
「うーん旦那に出来る弟に優秀なお手伝いさんか、幸せだ〜
伊藤今日はもう泊まっていったら?」
「ええ!…いいんですか?」
「構わねェよ」
「俺もいいと思う」
久しぶりに酒が飲みたくなった。
この今の幸せな雰囲気を噛み締めて、それをつまみに出来そうなほどだ。
しかし普段酒を嗜まないの屋敷にはないし、俺も普段から飲むわけではないので別に構わないが。
それに酔ったらまた理性が吹っ飛びそうだから夜のためにもやめておこう。
「これから迷惑じゃなければ夜飯まで食ってけばいいんだァ」
「是非!」
伊藤の家族の話は聞いたことはなかった。
しかし鬼殺隊に入ったのは何かきっかけがあったんだろうと思い、それとなく家族のことを訪ねてみる。
やはり両親を親に殺され、鬼殺隊に入隊したそうだ。
しかし兄妹が無事で、その子たちは家にいて暮らしているらしい。
鬼殺隊に入ったはいいけど、任務で鬼にあったら足がすくんでしまい殺されそうなところをたまたま通りかかったに助けられ隠として鬼殺隊に残ることにし、が甲になった時には申し出て屋敷の隠にしてもらったそうだ。
だからここに住むのではなく、家から通って変わらず仕事をさせてほしいということだった。
もともと玄弥一人に家事をさせるつもりもなかったが、してくれる人が一人でも増えてくれるなら大歓迎だっつうのに、妙に腰を低くしてお願いしてくる。
「今日は引越しみたいなもんで疲れただろうし、みんな早く寝よっか」
「明日は屋敷の中の部屋割り決めて部屋づくりだなァ」
「楽しみだなぁ!」
「玄弥くんの部屋と、伊藤が泊まった時の寝る場所決めてるよ」
そう言い決めてると言った場所を案内し、そのまま部屋へ戻して自ら片付けをしてから自分達の寝室へと戻ったのだった。