第5章 伍.来世に繋ぐ物 ※
「じゃあ早速だけど、夜ご飯の支度に買い出しに言ってくるよ」
「わたしもお手伝いします!」
「伊藤に玄弥くん、お願いします」
「気ィつけろよ」
手を振り二人が買い出しに出掛ける背中を小さくなるまで見つめる。
しかし玄弥が伊藤と普通に二人で行く姿に少し違和感を覚えたが、が言うにはちょこちょこ顔を合わせていたらしく伊藤から玄弥の話を聞いた時もあったそうだ。
……知らなかったなァ。
「まァいい、とりあえず俺はやりたいことがある」
「なに?」
「これから二人きりの時間もそうそうなくなるだろうからなァ…」
を抱き寄せそのまま横抱きにし、驚いているのを無視してそのまま屋敷の中へとあがっていった。
どうやら伊藤がいろいろ部屋を変えていたあとがある。
「ちょっとどうしちゃったんですか?」
「うるせェ」
「はぁ?」
どこでもいいからとりあえずと思って開けた扉の先に布団が敷いてあるのを見つけて、運がいいと思いつつその布団へを座らせるように降ろす。
「俺は散々我慢してきたぞ」
「やりたいことって、そういうこと…?」
「ヤリたいことだな」
「んふっ」
「今しかねぇだろ」
そうかなぁ?と首を傾げるの顎をそっと抑え、優しく口付けをする。
チュッと音を立てて唇を離すと、ほんのり顔を赤らめたの顔が目に移る。
「……顔が赤いぞ?」
「実弥さんもだけど?」
「クソが」
唇を啄むように重ねる。
柔らかくて堪らねェな……。
俺の胸元に手をそっと当て、その口付けを受け入れる。
味わうように舌をだし、唇を舐めると答えるように舌を出して触れ合わせた。
舌先が触れ合っただけなのにビリビリと電流が流れるような感覚が全身に伝い、それだけで理性が吹っ飛びそうだ。
舌を必死に絡ませ、口内を犯しながらの頭を支え優しく布団へ押し倒す。
うっすら目をあけると、眉をさげ、頬が紅潮しているのが見える。
たまに漏れる吐息と、しがみつくように服を握っているのが分かり、俺を興奮させるのには充分すぎた。
口を離すとどちらのものか分からないよだれが二人の口を繋いでいる。
「制御できねぇかも」
「……しなくていいよ」
「……後悔すんなよ」