第5章 伍.来世に繋ぐ物 ※
蝶屋敷を後にし、それぞれ会話をしながら歩いて産屋敷邸へと向かう。
今日は玄弥がの退院祝いにご飯を作ってくれるような話をしていたとへ伝えると、伊黒と甘露寺との甘味処は後にしてそのまま俺の屋敷へ行くことにした。
その代わりに時透が後日みんなで集まって、きちんと平和な世の中になったことをお祝いをしようと提案し、そうすることにしたのだ。
産屋敷邸に近付くにつれ、無言になっていく。
きっとそれぞれ色々考えているんだろう。
今まで鬼を殺すこと、復讐することを考えそのために生きてきたやつらだ。
目標を達成したとはいえ、急にその目標がなくなってはどう過ごしていいのか俺は分からない。
「……鬼殺隊は、なくなるんでしょうか?」
「鬼がいなくなったこの世の中には、いらないだろうな」
「嬉しいことなのにちょっと寂しいな」
「別に鬼殺隊がなくなったからといってもう会えなくなるわけじゃないんだし、そんな寂しがるなよ。
俺がド派手に毎日遊びに行ってやろうか? それとも不死川なんてやめて俺のとこくる?」
「ぶち殺すぞォ」
せっかくこれから二人で玄弥とも一緒に暮らしていこうと思ってんのに宇髄なんかに毎日こられたらたまったもんじゃねぇ。
それに俺は今すぐにでもを抱きてぇし毎日のようにしたいんだからお願いだから邪魔しないでほしい。
「ん?」
「や、別にィ」
「え、こわ」
今お館様がいる産屋敷邸へと到着し、一度みんなで立ち止まりお互いの顔を見合わせてから頷き、門をくぐる。
そこには既にお館様がいらっしゃった。
一同膝をつき、頭をさげる。
「こうして平和な世の中で、皆の顔を揃って見られるのはとても嬉しい。
さぁ頭をあげて、中へどうぞ」
言われるがままに中へと入り、いつもの柱合会議のようにお館様を前にしてみな正座をする。
「うん、みんな元気になったようで安心したよ」
「ありがとうございますお館様」
ご立派な方だ。
幼くして父を亡くし、産屋敷の当主になるには相当な覚悟が必要だろう。
そして指揮を取り、勝利へ導いたお方だ。