第5章 伍.来世に繋ぐ物 ※
煉獄の言葉を聞き、竈門兄妹と我妻、嘴平、胡蝶の継子…栗花落が廊下へ姿を現す。
「……やっぱり、かっこいいです!」
「やっぱりってなんだやっぱりって」
「いや、柱の方たちがきちんと隊服をかっこよく着こなしているのと、引退されていてもこうして皆さんがお揃いだと圧巻で…!」
「ふふ、ありがとう炭治郎くん。
わたしも柱を引退していてもこうして柱と並んでいるのはとても嬉しいの」
俺も含めて柱が隊服を着て揃っているこの状況には感激した。
そして胡蝶カナエと煉獄と宇髄がいる。
お館様がこれから鬼殺隊に対してどういう判断をされるかは分からないが、俺は鬼殺隊として皆が生き残れたことが嬉しかった。
鬼がいない世の中でどう過ごしていくのかも分からない。
「さぁ皆のもの、そろそろ行かねばお館様をお待たせしてしまう」
「そうね、行きましょう」
「ド派手に柱合会議といきますか」
「胡蝶大丈夫か、おぶるか?」
「冨岡さん大丈夫ですって」
「しのぶちゃんの事が心配でたまらないのね冨岡さん!」
「甘露寺、柱合会議が終わったらこの間言っていた新しく出来た甘味処に行こうか」
「あ? 新しく甘味処出来たのかァ?」
「実弥さんわたしたちも一緒に行きましょう」
「いいなぁ僕も連れてって」
「じゃあ俺も一緒に行こう!芋ようかんはあるだろうか!」
見送りの6人に背を向け、賑やかに11人揃ってお館様の元へと歩き出す。
「かっこいいな…。兄貴今日のご飯は何食べるかな」
「こうして見るとやっぱり格が違うっていうことが分かるよなぁ〜…。
甘露寺さんも胡蝶姉妹もさんもあんな可憐なのにあんな人達と肩並べて歩けるんだもんなぁ〜…」
「は強いのか?全然そんな風に見えねぇ」
「だから凄いんじゃないか。義勇さんも本当に強いって褒めてたし、殺気を隠すなんて並大抵の人じゃできないって」
「……さんは怒ると怖い」
「不死川さんとお付き合いされてるんだもんねぇ。
怒った時は似てるのかな?」
「……聞こえてるよ!怒った時似てるわけないでしょ!」
「いやちょっと似てるぞ、自覚なかったのか」
「嘘でしょ!?!?」
あの戦い以降から笑いの絶えない会話ばかり続いていた。