第4章 肆.命ある限り ※
下から頬をむにっと摘まれ目線を下に落とす。
「なんで急に怒ってんですか?」
「そういうとこだァ」
「???」
意味が分からないといった顔になる。
その顔を見て思わずフッと笑ってしまった。
まァ本当にどうでもいいことなんだがなァ。
四人で他愛のない会話を続けているうちに蝶屋敷へ着き、胡蝶カナエを筆頭に蝶屋敷のやつらと宇髄と煉獄が涙ながらに出迎えてくれた。
「煉獄さん!!!」
「!……よく戻ったな!よく生きて帰ってきた!
そして人間に…!よかった!」
「帰ってきた挨拶もろくに出来ないまま死んじゃうかと…」
俺もろとものことを抱きしめる煉獄。
そうか、そういえば煉獄と伊黒と甘露寺に帰ってきて顔を見せないままだったもんな……。
さぁ入ってと胡蝶姉に言われ、感動の再開もそこそこに部屋へと案内される。
煉獄と宇髄は他のやつらも出迎えるそうで、落ち着いたら病室に来るとの事だった。
「申し訳ないけど、個室はないの。
みんな順に大部屋に入ってもらうわね」
「構わん」
こんな事態だ。
わがままも言ってられないだろう。
「兄ちゃん…!」
「あら、仲良し四人組はここでもお揃いなんですね?」
「さん無事だったんだ!よかったー…」
既に胡蝶妹と時透、そして玄弥が病室にいた。
一瞬消えかけた玄弥だが、の体をもらって生き延びれたのだ。
をベッドに寝かし、笑顔で迎える玄弥の元へ行き頭を撫でる。
本当に、生きていてくれて嬉しい。
心からそう思った。
「しのぶちゃんが生きていてくれて嬉しいわ…!!」
「カナヲのおかげです」
「あら、不死川さんも伊黒さんも早くベッドに横になってくださいね?」
「ん?いや俺は別に」
「ダメです」
伊黒が否定の言葉を言うが有無を言わさない胡蝶姉を見て俺も逆らわず、の横のベッドに寝ることにした。
その隣に黙って伊黒も腰をかける。
仕切りがついてるにしろさすがに男女分けた方がいい気もするが……。
「とりあえず来た順で手当をしますから、また後で場所を変えましょうね」
「そうしてくれ」
伊黒も同じことを考えていたのか、だまって俺と伊黒で胡蝶姉を見ていたらお見通しのように言われた。