第4章 肆.命ある限り ※
ーーーー……
親父に突き飛ばされ、暗闇に落ちていく夢から目が覚める。
「クソ……」
「風柱様ぁ!!!!」
夢でも胸糞悪ィ……
目が覚めて親父の言っていた事を理解する。
目の前には涙と鼻水でぐちゃぐちゃの隠が覗き込んでいた。
「終わりましたよ風柱様……!」
「……は」
その言葉を聞き、顔の横にいた体をずらす。
横を向いたその先にはボロボロのがいた。
そして俺の目線に気付き顔をこちらへ向けたのだ。
目が合い、涙をボロボロと流しながらニッコリと笑顔を見せる。
それを見て思わずこちらも涙が流れた。
よかった、無惨と一緒に消滅しなくて。
薬の効き目が間に合ったんだな……。
そのの頭上には、横たわっている甘露寺を抱きしめるように座っている伊黒がいた。
「なんだ、こっちを見るな不死川」
「……生きてたかァ」
「わたしが無惨に吹き飛ばされるとき、ちゃんが呼吸か何かで衝撃をやわらげてくれてたの」
「恥ずかしながら血気術です」
「無惨の消滅までに人間に戻れたんだなァ、よかった」
「……気を失っている間大変だったんだ」
鬼舞辻無惨の血を分け与えられていたことから、鬼舞辻無惨の弱体化と共にの体まで蝕んだそうで、人間に戻る薬が弱体化で効き目がよかったがために、同時進行で体への負担が大きかったそうだ。
吐血から始まり、脈の低下など非常に危険だったが愈史郎の元へ連れて行き処置をしてもらい一命を取り留めたが、寝ている間にも非常に苦しんだそうだ。
今ようやく落ち着いて、目が覚めたところだと教えてくれた。
そしてギャーギャー騒いでいる猪頭たち。
あいつらもあいつらで無惨が死んだ後大変だったようだ。
「……柱が命を落とさず生きていることが奇跡だ」
片腕を失くした冨岡が近付いて来た。
「、致命傷になる攻撃から庇ってくれたおかげだ。
体を張って守ってくれてありがとう、感謝する」
「冨岡さん……わたし何も成果をあげられてないと思ってました」
「そんなはずないだろう。ここは冨岡の言う通りだ。
俺も甘露寺もこうして生きているのが貴様の活躍の証だ」
ボロボロとまた涙を流し笑う。
その光景にまた心を奪われた。