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八重歯と稀血

第3章 参.役に立たない誇り




時透のところには、驚かせず普通に行くらしい。

驚かせたら可哀想じゃん?と言っていたが、それなら俺と宇髄はどうなる。
まァいいけどよ。


「むいー!」

「……えっ!」

「記憶が戻ったんだってね!よかったね!」

「さんなの?本当に? うわぁ嬉しい…!」

「雰囲気本当に変わったね〜むい可愛いね〜」


笑顔で嬉しそうにする時透を見て、もこれまでにないほど顔を緩ませひたすら頭を撫で回している。

は子どもが好きなようで、禰豆子にも好かれていたようだった。
今の禰豆子を見たらびっくりするかもな。
それともあらかた予想が出来ているから驚きはしないか。


「さん、体に気をつけてね? 無理しないで」

「ありがとう。
でもわたしよりむいの方が無理しないでほしいな」

「うん、分かった!」


じゃあまたね〜と手を振り次のところへ。
次は……甘露寺だったか?

甘露寺の次に伊黒で、伊黒の次に俺だからそうだな。


「疲れませんか?」

「ん、大丈夫だ」


最近はみんなまとまっていることはねぇからしょうがねぇしな。
疲れたらおんぶしてあげますよ、と冗談めかして言ってきた。

くっつけんなら悪くはねェが、おぶられている所をみられるのは屈辱だな。


「蜜璃ちゃんのとこですね」

「ヒッ!風柱様だ!……と、誰?」

「わたしって言うの。はじめまして」

「様!?初めて見た…可愛い…なんで風柱様と一緒に…」

「悪かったなァ…?」

「ここここ恋柱様ならご飯をたべに!!蛇柱様のところへ!!!」

「お、ちょうどよかった。じゃ行きましょ」


あのクソ野郎、俺のところにきたらビシバシしごいてやる。
竈門と同じくらいにやってやりてェがついていけねーだろうな。


「にしてもすごい格好だったなぁ…」

「あんなん地獄だな。柱でよかった」

「実弥さんがあの格好してたらみんな漏らしますね。
ところで小芭内と蜜璃ちゃんはどっかに食べに行ってるんでしょうか?」

「そうかもなァ」


とりあえずいるかは分からないが、伊黒の屋敷へ着くと、そこは隊士が何人も柱や床にくくりつけられている地獄絵図だった。


「んふっ、小芭内らしい」


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