第3章 参.役に立たない誇り
「で、は殺さないでそいつのところに連れて行ったのか」
「そうみたいだなァ…」
「つーかガキの頃から血液を流し込まれてたかもってどういう事だ。
何があってそうなってんだよ。暴力でも受けてたのか?」
「……聞きます?」
「俺はともかく不死川は聞いといた方がいいんじゃねぇの?
愛するの過去だろ」
「……聞く前からぶち殺してェ」
「竈門くん、一緒に戻りましょう。
心配なのは分かるけど、あなたも怪我人だから休んで」
「あ、カナエさん……分かりました…」
竈門と胡蝶姉が中に入るのを見て、胡蝶は宇髄の体を気遣い縁側へ移動し三人で腰をかけた。
「さんが鬼に可愛がられていたとは聞きました?
八重歯を非常に気に入られ、そこを指や舌でなぞるように触られていたそうです」
「……前いってたな」
「他にも喰わない代わり、傷をつけられていたそうです。
腹、指、首など…そこから出た血を舐めて楽しんでいるという非常に気色の悪い鬼ですね……。
さんから聞いたのはこれだけで、その先については言葉も出ない様子でした……。
そして問題なのが、そういった行為のときに鬼は自らの舌や口を噛みちぎり、流血した状態だったということです。
……これを言っている時のさんの表情は…忘れられません」
怒りで声も出なかった。
宇髄も絶句している。
その鬼は当時の炎柱に殺されたんだろうが…例え死んでいてもそいつを殺したくてしょうがねェ。
「……散々な思いさせといて、あっさり死ぬなんて許せねぇなァ」
「わたしもそう思います」
「そんな恐怖を植え付けられて更にそれを利用されて鬼にさせられたのか。
どこまで非情なんだよ……が不憫すぎるわそんなん…」
「カァー!、屋敷ヲ移動!」
また一通の手紙が落とされる。
伊黒からだった。
皆で顔を近づけ、三人で目を通す。
ーー……
が自らの意思で珠世という者の元へ行くことになった。
遣いの者から、しばらく会えないと思えと伝言があった。
俺は屋敷に戻る。明日産屋敷でまっている。
ーー……
「俺、そもそも4~5ヶ月まともに会えてねぇんだけど」
「最近は任務と鍛錬ばっかだったからなァ」