第3章 参.役に立たない誇り
「不死川!胡蝶!何がどうなってる!?」
「さんは?」
「不死川さんも一緒なんですね!珠世さんから手紙がありました!」
蝶屋敷へ着くと、宇髄と胡蝶姉そして竈門炭治郎が手紙を持って屋敷の前に立っていた。
恐らく胡蝶姉以外は何も知らないんだろう。
宇髄はこの任務まで忙しく、鬼舞辻無惨の狙いがかもしれないとは検討もついていなかったはずだ。
竈門が持っている手紙には、胡蝶しのぶ様と書かれており、それを胡蝶が手にとり中身に目を通す。
「おい不死川、が鬼になったって?殺したのか?」
「落ち着け宇髄」
「落ち着いてられるか!」
「カァー!」
伊黒の鎹鴉だ。
俺の足元に落ちた手紙を急いで拾い中身を見る。
「なんでもいいから教えてくれまじで、読む前に教えろ」
ーー……
珠世の遣いのものがを連れて行くと言っている。
連絡なら胡蝶にしておいたと言っているが本当か分からない。
こいつ鬼だ。信用ならない。何も手を出さず座っているが…。
確認するならしろと今待っている。至急返事をよこしてくれ。
ーー……
「胡蝶これ、伊黒からだが…」
「……これは珠世さんからの手紙に間違いありませんので、その遣いの者という方は大丈夫でしょう。
伊黒さんに珠世さんの手紙も付けて返事をしましょうか」
「竈門ォ…この珠世ってやつァ本当に信用できるやつなんだろうなァ」
「はい!あの方からは、純粋で嘘偽りない匂いがしました」
「何もんなんだァ」
「それは……、鬼舞辻無惨を倒したいと言ってたんです!
悪い人じゃありません!」
「聞いてることに対しての答えになってねぇ」
「いやまず説明してくれ。派手に頭が混乱しててついてけねぇ」
胡蝶が伊黒の鎹鴉に手紙を持たせると、急いで鎹鴉は飛び立っていった。
宇髄には胡蝶が説明を最初からしていて、それを竈門も黙って一緒に聞いていた。
こいつも知らなかったのか。
ていうか珠世ってやつのところへ行ってどうするんだ…?
そう思っていると、竈門が「珠世さんのところにいれば安心だと思います」と言っていた。
「珠世さんは鬼と、鬼を人間に戻す薬の研究をしてくれているんです。
禰豆子のことも預かると最初は言ってくれたんです」