第3章 参.役に立たない誇り
珠世という人物については詳しく教えてもらえなかったが、敵じゃないということは確かだ。
現にのことを調べてもらっている。
そしてその後、猗窩座がやって来てを探していた素振りを見せる。
その事から珠世というやつが送ってきた手紙を見せてもらった。
ーー……
鬼舞辻無惨は近々さんを鬼にするために動くと思います。
強い鬼を作ることはもちろんですが、鬼の血に順応して自分の力とした人物であれば、鬼舞辻無惨の思い描く鬼を作れるかもしれない……
つまり、太陽を克服できると見込んでいるはずです。
そしてその思惑どおり、鬼舞辻無惨に大量の血を与えられてしまった場合、太陽をすぐに克服できるほど適応できるでしょう。
今の血液量から、人間のままでいられることが不思議なほどです。
鬼舞辻無惨は鬼としてつかうつもりでしょうが、禰豆子さんのように自力で鬼舞辻無惨の呪いを解き、人を襲わない鬼になれるはず。
もしも鬼にされた時には、最初が肝心になります。
ですが元々強いお方……どうぞお気をつけてください。
さんの意向は、鬼になってしまったらすぐに頸を切ってほしいと言うことです。
自分たちに被害を被りそうなときには、躊躇わないことが大事です。
なにかお困りのときはご連絡ください。
ーー……
「鬼舞辻無惨は、自身の鬼に呪いをかけるようです。
まず場所の把握。そして近くにいる鬼の思考を把握出来ると。
そして鬼舞辻無惨という名を口にした時、呪いで殺されると教えてもらいました」
「……その珠世という人は、どのような人なんでしょう?」
「うむ、確かに気になる」
「すみません、わたしもよく分からないんです……。
竈門くんからは、同じく鬼舞辻無惨を倒したいと思っていて研究をしている人という事だけ……」
「そうかァ……」
「とにかく、のことは殺さなくて済むのか?
起きてまた襲われたらどうする?太刀打ちするのもやっとだぞ」
「そのために色々調査をしてきたんです。
珠世さんの見込み通りだと、人間の頃の記憶があるかどうかはさておき、呪いを解いて禰豆子さんのように制御できるようになるはず…」
一応、縛っておく方が安全だということで、可哀想だが手と足を縄で縛った。