第3章 参.役に立たない誇り
完全に眠っている。
「まずここを離れましょう。
不死川さん、担いでいけますか」
「あァ」
急いでその場から離れる胡蝶を追って、伊黒、甘露寺、煉獄と走り去っていく。
俺もを抱えたまま全速力で遠くへいくこいつらを追っていく。
未だに全然理解できねぇ。
しかし眠っているの体は、手も生えているし、先ほど空いていた穴も消えていた。
それを見てさっきのは紛れもなくだったんだと実感する。
離れた場所に屋敷があるのを見つけ、そこへ入っていった。
「順番に説明します。
まずあなた達に言っていなかった理由は、本当にまだ鬼舞辻無惨の狙いが掴めなかったことが原因です。
さんが直々に調査へ行くことを望んだのは、自分が外に出ることで鬼に何かしらの動きがあればハッキリするからでした。
しかし鬼舞辻無惨が直々に、しかも行動を把握していたように動くとは到底想定していませんでした…」
「待て胡蝶。なぜお前が知っている?全て分かっているのか?」
「すまん、実は俺もあらかた聞いていた」
「なんでそれを言わなかったんだァ?
それを知ってたらこんなことにならなかったかもしれねぇだろ…」
「だから順番に説明しますから…」
その後に次々と衝撃的な内容が語られていった。
まず初めにお館様とから相談を受けたのが胡蝶だ。
その内容は、小さい頃の鬼と過ごしていた時に、鬼の血が少しずつ入っていたかもしれないと。
「詳細は…聞くに耐えないような内容なので省きます」
その一言だけでよっぽど酷い事をされたんだと理解し、腸が煮えくり返った。
きちんと人間として理性もあるからなんとも思わなかったが、任務をこなしていくうちに自分の異常なまでの体力と回復力で、何となくそう思ったそうだ。
そこで出会ったのが竈門兄妹。
お館様が竈門に言っていた謎の人物、珠世という存在を教えてもらいそこで自身の体を調べてもらったそうだ。
その結果、鬼の反応があることが分かったそうだ。
それから定期的に珠世という人物に血を送り、胡蝶に診察をしてもらっていたそうだ。