第2章 弐.尊い命
パンケーキとカステラを見て、どっちから食べようかな〜とよだれを垂らしそうな勢いでキラキラ目を輝かせているを見て、目を細めて笑う煉獄。
「パンケーキ?から食べますか?
蜜璃ちゃんが作ってきてくれたそうですよ」
「うむ、いただこう!」
「食べやすいとこに置いてやるから待て」
大量のパンケーキを伊黒たちが来た時に置いていった皿へ二人分移し、甘露寺がやっていたようにバターとシロップをかける。
それを見て、おぉーと嬉しそうに反応する二人。
こいつら可愛いな。
「抑えといてやるよ」
「ありがとうございます」
「うまいなこれ!うまい!うまい!」
「おいしーーー!!」
「甘露寺がうめぇ甘味いっぱい食わせてやりてぇって言ってたぞ。
これから休めんだから連れてってもらえ」
「? わたし鬼殺隊はやめませんよ」
「あ?何言ってんだ」
「それは…俺も賛成できないな」
「なぜ? 別に片腕でも戦えます。十二鬼月は別として」
「お前らどっちか鬼舞辻無惨に探されてるかもしれねぇんだぞ。
詳しく知らねェが」
「……なら尚更自分の身は守れるくらいじゃないと」
一瞬、表情が固まった。が、すぐに元の表情に戻る。
やっぱり上弦との戦いで何かあったのか、こいつ。
「お前なんかあるな?」
「……今は何も言えないんですごめんなさい。
お館様しか知らないことなんです」
「不死川、言いたがらないことを無理に聞くのはよくない」
この二人の感じだと、上弦と戦っているときに煉獄も何かに気付いたがが隠したんだろう。
煉獄でも知らないことか……。
前柱合会議でお館様と妙な会話をしていたのがそれだとしたら、伊黒も知らねぇんだろう。
「今調査中なんです……。後できちんと説明します」
「お館様と秘密の情報かァ…しょうがねぇか…」
「……稽古なら付き合うぞ!」
「ありがとうございます。実弥さんも是非」
「俺がお前相手に木刀といえど刀を向けれると…?」
「んふっ」
「人の気持ちを知っておいてからかうとはなァ」
「うまい!うまい!」
7日間、あんなに静かだったのが嘘みたいだ。
というか意識戻ってすぐこんな騒げるもんなんだなァ……。
こいつらの回復力には驚かされる。