第2章 弐.尊い命
話を聞くと、どうやらの検査の途中にムクっと起き上がったそうで、二人で驚きすぎて声も出なかったらしい。
ついでに煉獄の検査も終え、今に至る。
「しかしさんがここまで意識戻るのに時間がかかってますから、煉獄さんはもう少しかかるかと思っていました」
「煉獄らしいと言えば煉獄らしい…。
にしても二人とも、無事でよかった。よく頑張ったな」
「悲鳴嶼さんありがとうございます…」
「あらかた話は聞いているが、詳しくは二人が回復次第、柱合会議で話を聞きたいとお館様がおっしゃっていた」
「む、そうか。分かった!早く体調を万全にしないとな!」
「そうですね」
小さく手招きする。
その手招きで時透がなんの躊躇いもなくベッドの上のの足の上に座る。
はぁ〜癒し〜と言って時透の肩の上に顎を乗せる姿を見て、いつもなら辞めさせるが今ばかりはよかったなぁと思ってしまった。
「さん、あまり長い間そうしちゃだめですよ」
「はーい」
「これでさんが少しでも元気になるなら…いくらでも」
「可愛い……生きてよかった……」
しばらく任務などの話は避けて、他愛のない会話をしていた。
冨岡が蝶屋敷の縁側でお茶を飲んでたら猪頭が背中に猛突進してきて湯呑みを割って胡蝶に怒られていたとか、さっき入ってくる時に我妻が丁度廊下にいて悲鳴嶼さんを指さしてデカすぎない!?と叫ばれたとか。
「あの子たちは元気なんだ、よかった」
「元気すぎて困っている…」
無表情な冨岡だが、あの竈門兄妹に思い入れがあるんだろうから安心してるんだろう。
そしてその竈門たちに顔を出してから帰ると言って一足先に退室した。
続いて悲鳴嶼さんと時透も帰ることになり、胡蝶も晩ご飯についてアオイだが何とかっていう女の所へ行くと言って退室した。
「……不死川、。腕を犠牲にしてしまって申し訳ない」
「え?なに煉獄さんが謝ることあるんですか?
巻き込まれに行ったのは自分ですよ」
「二人とも生きてんだからそれでいいじゃねェか」
「だが、」
「煉獄さん!人の命と自分の腕なら腕を捨てるでしょ?
わたしは自分の命を捨ててでも煉獄さんを守りました。むしろ腕だけでよかったです。
だから、謝らないでください」